「電撃HOBBY MAGAZINE」と「ファミ通DS+Wii」の伸びが目立つ…少年・男性向けコミック誌部数動向(2008年10月-12月データ)

2009/03/09 05:10

【社団法人日本雑誌協会】は2009年3月2日、2008年10月から12月分の印刷部数を公表した。主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータで、正確さという点では各紙が自ら発表している「公称」部数よりはるかに精度が高く、現実に即している。今回は、前回データの掲載の時には当サイトのメインテーマである経済・金融向けの「ビジネス・金融・マネー」よりも好評を博した、「ゲーム・エンタメ系」のデータをグラフ化し、前回掲載記事からの推移を眺めてみることにする。

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データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」などの用語説明は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】に収録されている。そちらで確認をしてほしい。

それでは早速、まずは2008年の7-9月期と10-12月期における印刷実績を見てみることにする。

2008年の7-9月期と10-12月期におけるゲーム・エンタメ系雑誌の印刷実績
2008年の7-9月期と10-12月期におけるゲーム・エンタメ系雑誌の印刷実績

幸いにも【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2008年10月-12月データ)】のように、脱落した雑誌はない。むしろ「声グラ(声優グランプリ)」が追加されている。これは前回記事掲載後にリクエストがあり、確かにこのカテゴリに加えるべきだろうとの判断から追加したもの。

さて状況についてだが、大きな順位変動は見受けられない。やはり「Vジャンプがずば抜けている」「週刊アスキー、なかなか奮闘してるよね」「アニメ系ではニュータイプが先頭か」などの傾向は3か月前通り(ちなみに「半年前」通りでもある)。前回の対象期間が「季節特性」(夏休み・盆休みが期間に入るため、「通勤・通学の際に購入されやすいタイプの雑誌の印刷数が減る(=販売数が減る)」)により印刷数を減らしていた雑誌が多かったこともあるのだろうが、前回データと比べると多くの雑誌で部数を増やしているのが分かる。特に「電撃HOBBY MAGAZINE」と「ファミ通DS+Wii」が大きく部数を増やし、直近期の紫色の棒が長く伸びているのが分かる。前者は機動戦士ガンダムとマクロスフロンティア関連の特集記事、後者は2008年12月号の「オリジナルポケモンケース」など、任天堂系ゲーム関連の付録が功を奏したのかもしれない。

次に直近3か月における印刷数の変移はどのようなものか、グラフ化してみることにする。

雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系)
雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系)

夏休みの部数抑制の反動で
部数が伸びた雑誌も多い。
その一方で減少し続ける雑誌もあり、
今後が不安視される。
3か月単位の変動値であり、季節特性だけでなく「取り上げている作品の良し悪し」「新作映画やゲームとの関連」「付録」など、イレギュラー性の高い要因に大きく左右される可能性が高いことをあらかじめ書き記しておく(とはいえホビー系の雑誌は多かれ少なかれその傾向があり、その「イレギュラー性」を乗り越えねばならない宿命を持つものだが)。

突発性要素による「ぶれ」の範囲をプラスマイナス5%台とやや甘めに見て区分わけすると、ネガティブが4誌、ポジティブが5誌となる。前回と比べると随分と状況が改善されたように見える。ただし、今回かなり部数を落としている下位層の雑誌は、前回の時にも同じように部数の減少傾向が見られ、「夏休みの季節特性」によって部数が落ちたわけではないことが確認できた。対象の市場そのものが縮小しているのか、「ヒット作」に恵まれていないのか、経営方針なのかは不明だが、このペースが今後も続くようだと、色々と心配になる。

一方で「電撃HOBBY MAGAZINE」と「ファミ通DS+Wii」の伸びには目を見張るものがある。前々下位、つまり2008年4月から6月のデータと比べてもまだ勝っており、「夏休みの季節特性」の反発以上の伸びがあったことは間違いない。両者とも2007年における印刷部数のそれに近い値にまで回復しており、次回以降もこの伸び方が継続すれば、「出版不況何のその」と大手を振って主張できるだろう(少なくとも自誌については)。



少年・男性向けコミック誌部門でも言及したように、前年同期比ではなく前期比なため、その雑誌の「当たり月・外れ月」によるぶれや、季節の特性など多種多様な要因が絡んでくるため、今回「前期比で大きくマイナスの値が出たから、この雑誌はもう人気が落ちているネ」と断じることはできない。少なくとも1年以上は定点観測を続け、4回分以上の推移や、前年同期比などで比較しないと難しい。

そのためには少なくともあと2回、データを継続観測する必要がある。四半期データを5回分取得できれば、直近のデータで「前年同期比」が分かるし、5回分の継続データがあれば、全体的な流れもつかめる折れ線グラフも作成できるからだ。

それまでに、データ公開が中止となる雑誌が出ないことを祈らずにはいられない。

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