電通の2009年2月の売上高をグラフ化してみる

2009/03/07 09:15

広告イメージ[電通(4324)]は2009年3月6日、同年2月の単体売上高を発表した。それによると売上高は前年同月比の20.8%減の972億1700万円にとどまったことが明らかになった。前年比で売上が20%以上減少するのは1999年2月以来10年ぶりのことで、特に既存紙媒体への広告出稿減が目立つ(【発表リリース、PDF】)。今回はこのデータなどをグラフ化し、状況が分かりやすいようにしてみた。

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まずは業務別の売上前年同月比。テレビの額が全体の半数程度を占めていることなど、絶対額の状況に大きな変化はないのだから、むしろ季節変動などをも考慮できる前年同月比の方が状況の変化はわかりやすい。

電通2009年2月度単体売上高
電通2009年2月度単体売上高


・「テレビ」はタイム広告とスポット広告の合計
・「OOHメディア」とは「Out of Homeメディア」のことで、交通広告や屋外広告などのこと
・「インタラクティブメディア」とはインターネットやモバイル関連メディアを意味する(要は「インターネット」)
・「クリエーティブ」とは制作部門によって考案、計画、制作された(独自)コンテンツのこと
・「その他」には衛星その他のメディア、メディアプランニング、スポーツ、エンタテインメント、その他コンテンツの業務を意味する

区別がしやすいよう、全体を緑、4大既存メディアを赤で着色してみた。既存メディアのうち特に「新聞」「雑誌」という2大紙メディアの売上が著しいほど落ちているのが分かる。これらの媒体は定期的に発刊されているため、従来なら特定案件や突発事項で急激な変化が生じることは考え難い。つまり、これらのメディアからの広告絞込みが加速していることが分かる。

その一方、ここ数年成長が著しいインタラクティブメディアやその他部門、そして最近では屋外での大型液晶画面での広告展開で注目を集めている「OOHメディア」でも大きな下げが確認できる。「OOHメディア」などは元々額が小さく、少し大きめの案件で前年同月比が大きくぶれるので単月度だけでは傾向を推し量ることは難しいが、成長株の「インタラクティブメディア」でも前年比で1割近い下げを見せているのには驚き。広告(費)の絞込みは成果が高いといわれている広告媒体にまで押し寄せているようだ。

また、「ラジオ」「マーケティング/プロモーション」などの従来からのメディアの減少率がそれほど大きくない傾向なのも注目すべき点かもしれない。定番・お得意様のハートをしっかりとつかんでいる、ということなのだろうか。

さて、これら前年同月比の動向を2007年12月からの推移で見たのが次のグラフ。業種全体でつくったものと、全社及び4大既存メディアに限定したものを併記してみた。

電通の過去1年間+αにおける業務別売上高前年同月比推移
電通の過去1年間+αにおける業務別売上高前年同月比推移

電通の過去1年間+αにおける業務別売上高前年同月比推移(全社及び四大既存メディアのみ)
電通の過去1年間+αにおける業務別売上高前年同月比推移(全社及び四大既存メディアのみ)

今月に限らず「雑誌」「新聞」という2大紙媒体の落ち込みが経常的におきており、特に2008年後半から下げ幅が拡大しているのが分かる。

リリース上では公開されていないが、一部報道によると、広告主の業種別では20業種中13業種までがマイナス。とりわけ「金融・保険」「情報・通信」「自動車・関連品」「飲料・し好品」などの下げが目立つという。このあたりの状況は【マスコミ既存4媒体の2008年における業種別広告費をグラフ化してみる】【10余年間における4大メディアへの広告費の業種別動向をグラフ化してみる】にもあるように、昨今の傾向から変わるところは無い。

元々3月は年度切り替えのタイミングということもあり、毎年度の中では単月でもっとも大きな広告費がやりとりされる時期である。同時に、次年度における各社・各業種の広告展開の傾向が見える月ともいえる。来月に発表される2009年3月の月次売上がどのように推移するかによって、各社の各メディアに対する今年(来年度)の姿勢が見えてくることだろう。

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