マイナス業種数の増加、下げ幅の増大…10余年間の4大メディアへの広告費の業種別動向(2009年発表)

2009/03/04 12:00

[電通(4324)]は2009年2月23日、日本の広告費に関する調査報告書を発表した。それによると、2008年の日本の総広告費は(電通概算で)前年比95.3%の6兆6926億円であることが明らかにされた。景気後退で企業の広告予算も縮小され、広告の出稿も漸減。広告費全体額、そして当然ながら各メディアや仲介を行う広告代理店の売上も減少している。今報告書では広告業界に関する多種多様なレポート・データもあわせて掲載されており、業界の動向を知るのにはよい資料となる。今回は過去11年分にまでさかのぼり、業種別の既存マスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の業種別広告費の変遷をグラフ化してみることにする。4媒体に対する各業種の注力度、あるいはそれぞれの業種のふところ事情が何となくつかめてくるはずだ(【発表リリース、PDF】)。

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まずは、データが提供されている1998年以降の各業種別・既存マスコミ4媒体への広告費の変遷を積み重ね棒グラフで。なお2004年から2005年にかけて、(該当メディアでは)雑誌の広告範囲に変更が行われたため、正確にはデータの連続性はない。しかし傾向は十分につかめるはず。

既存マスコミ4媒体広告費推移(2004年-05年に断続、単位:億円)
既存マスコミ4媒体広告費推移(2004年-05年に断続、単位:億円)

ITバブル期に大きく伸びた広告費が2002年あたりの金融不況で落ち込み、(断続性でやや盛り上がっているのもあるが)やや戻す様相を見せつつも、景気回復の中でも下げ止まらない様子が分かる。

これを各業種別に「前年比」を算出し、その動向をデータ化したのが次の図と表。


日本の経済成長(GDP)と既存マスコミ4媒体の各業種別広告費前年比(グラフはクリックで拡大表示)
日本の経済成長(GDP)と既存マスコミ4媒体の各業種別広告費前年比(グラフはクリックで拡大表示)

業種が多くてごちゃごちゃして分かり難いので、拡大表示版では線をやや太くして描き直しを行っている。業種別の事情、例えば「趣味・スポーツ用品」はオリンピック絡みで2008年は前年比+7.8%と大きく躍進したなど、があるが、総計的に大躍進を遂げた2000年以降、「前年比マイナス」の業種が次第に増えている傾向がある。

あとは個別要件としては、

・素材関連価格の急落を受けて「エネルギー・素材・機械」の急激な減少
・「飲料・し好品」「化粧品・トイレタリー」「自動車・関連品」「出版」などのお得意様的業種が2005年(データ取得範囲改定)以降4年連続して前年比マイナス
・前年比マイナスの業種数の増加だけでなく、減少率もその量が大きくなる傾向

などの点が特に目に留まる。

合計値とGDP(国内総生産)の推移はそれぞれ赤・青の太線で描いてみたが、広告予算額は業種別の事情による影響が大きいようで、GDPの推移とほぼ連動しているのは「ファッション・アクセサリー」と「案内・その他」くらいだった。しかし全体的な流れとしては2002-03年まではほぼGDPと似通った動きをし、それ以降はGDPの動向とは無関係に額が縮小する傾向にあるように見える。



今回の図表データは1998年までのものしか用意されていなかった。そのデータからみる限り、少なくとも2008年時点で4大既存メディアの広告費総額は(1998年以来)過去最低を記録している。業種別のすう勢によって、減り方が急なところもあるが、特定の業種だけが広告費を減らしているわけではなく、ほぼすべての業種で少しずつ削減される傾向にあるようだ。

今年、つまり2009年は年度切り替え以降、大幅にこれら4大メディアに対する広告出稿を減らすという話をあちこちから耳にする。各業種の広告出稿割合はどのように変化していくのか、少なからぬ変化が生じるに違いない。

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