製造・卸売・小売は不調、でも宿泊・飲食サービスは売上11.5%利益17.0%プラスに! 総務省が昨年10月-12月の個人企業経済調査発表

2009/03/01 11:55

売上イメージ総務省は2009年2月26日、2008年10月-12月期における個人企業経済調査の結果(売上や営業収支)を発表した。それによると製造業、卸売業・小売業は前年同期比で大幅に売上・利益共に減じているものの、サービス業は微弱な下げにとどまる一方、宿泊業・飲食サービス業は売上・営業利益共に大きく伸びていることが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。

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リリースでは4区分された業種について、売上と営業利益の2つの視点から、2008年の四半期それぞれにおける前年同期比・2008年全体の平均を算出し、その推移を公開している。それぞれをざっと見てみることにしよう。ちなみに「営業利益」とは本業による利益のことを指す。

製造業……売上-4.5%、営業利益-16.4%
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(製造業)
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(製造業)

売上高は前年同期比で6期、営業利益は4期連続で減少。売上高の減少率がやや横ばいなのに、営業利益の減少が加速化しているのは、生産コストの圧縮や素材の価格高騰などのあおりを受けて、商品単価に上乗せできるマージンが減少していることを意味する。親会社からのコスト削減圧力や、(需要減退による)商品価格の引き下げに対するプレッシャーが強まっているのだろう。

卸売業・小売業……売上-18.3%、営業利益-23.4%
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(卸売業、小売業)
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(卸売業、小売業)

製造業以上に厳しいのが、卸売・小売業。売上は4期連続、営業利益は2期連続で減少している。売上の減少は2008年初頭から見られたが、営業利益は7-9月期までは上下を繰り返していた。しかし10-12月期になると、売上の減少率はやや戻したものの、営業利益が大きく削られている。これも製造業同様に利ざやを削ってでも、売上を確保しなければならないというプレッシャーによるものと思われる。

宿泊業、飲食サービス業……売上+11.5%、営業利益+17.0%
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(宿泊業、飲食サービス業)
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(宿泊業、飲食サービス業)

上記2区分と正反対の結果が出ているのが宿泊業・飲食サービス業。売上では前年同期比で1割、営業利益では2割近い伸びを示している。1年分だけで判断するのはリスクを伴うが、2008年の四半期区分で見ると、この業態は2008年半ばでひとつの山場を越えたようにもみえる。もっともこれらの値は「前年同期比」であり、昨年の同期がさんさんたる結果だったから、という考え方もできる。

サービス業……売上-3.3%、営業利益-3.4%
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(サービス業)
売上高及び営業利益の対前年同期比の推移(サービス業)

最後はサービス業。他の区分と比べると売上・営業利益共にその起伏に乏しく、2008年においてはほぼ誤差に等しいような動きしかしていない。営業利益において2008年7月-9月期にやや大きなマイナスを見せているが、これも10月-12月には回復のきざしが見えている。



具体的な金額は元資料で確認してほしいが、例えばサービス業の場合は平均で売上高155万2000円・営業利益54万5000円(それぞれ1事業所あたり)であり、大企業とは数ケタの小ささを見せている。これは個人企業(個人経営の事業所)だからであり、当然といえば当然の話。

今資料からは個人経営の事業所ベースでも、製造業や卸売業、小売業の業績が急速に悪化していることが確認できると共に、「宿泊業、飲食サービス業」のように堅調な動きを見せつつあるところも確認でき、すべてがすべて最悪期にあるわけではないことが分かる。

もう少し過去のデータからのグラフについては【概要(PDF)】に掲載されているが、それを見ても「製造業は結構厳しめ」「卸売業、小売業は2008年春先から急速に状況が悪化」など、概要的な判断結果に変わりは無い。

「製造」「卸売・小売」と「宿泊、飲食サービス」「サービス」の違いがどこにあるのかを考えてみると、どれだけ資源価格や外需に係わり合いがあるかがポイントのひとつであると考えられる。外需の改善が今しばらくは難しいことから判断するに、前者二つの苦境は今しばらく続くものと考えて良いかもしれない。

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