消費者の「モノやサービスを買いたい」意欲をグラフ化してみる

2009/02/27 12:00

景気イメージ【博報堂(2433)】は2009年2月24日、同年1月末時点の一般消費者の消費意欲に関する調査結果を発表した。それによると1月末時点における(=2月の)消費意欲(最高に消費したいという状態を100とした場合の調査時点での意欲)は平均で47.5点であることが明らかになった。これは同社が消費意欲の値である「消費意欲指数」を計測し始めた1993年4月以降もっとも低い値となっている。今回はこれをグラフ化してみることにした(【発表リリース、PDF】)。

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詳しくはリリースにあるが、2009年2月の消費意欲指数は47.5で、これは前月から4.1ポイントの減少、前年同月比でも2.8ポイントの減少となっている。1月は資源価格の高騰もピークを過ぎ、各小売店などでも安売りセールを行い集客をはかってはいるが、消費者の購買意欲はますます低下していることが分かる。

さて、消費意欲指数だが、消費者の消費マインドを表す値としては非常に興味深いものといえる。調査方法は博報堂のモニターに「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの消費意欲は何点ぐらいでしょうか?」と毎月尋ねるもので、2月の値(1月末に問い合わせ)では419名に尋ねている。

具体的な値を見ると分かるが、毎年値が上昇する時期と下降する時期がある。上昇する時期は「正月」「ゴールデンウィーク」「夏休み」で、それぞれ12月-(翌年)1月、5月、7月-8月が該当する。休みになると「何か買おうかな」「遊びに出かけようかな」という欲求がわき上がるものだ。

それでは早速、1993年4月末計測・5月の値以降についてのグラフを展開してみる。まずは年間平均グラフから。

消費意欲指数(年、平均)
消費意欲指数(年、平均)

全般的に男性よりも女性の方が消費意欲が高く、また、景気の動向にある程度連動していることが分かる(前回の金融危機・ITバブル崩壊の2000年初頭にも大きな落ち込みが見える)。

それとは別に、少なくとも計測を開始した1994年以降、大まかな流れとして「消費そのものの意欲が減退している」可能性が示唆されているのが分かる。このグラフからだけでは断言が出来ないが、昨今のデジタル機器によく見られる現象である「飛びつくほど欲しいものがない」「物品の飽和状態」「商品やサービスに対する、現状での満足感の高まり」が消費全体に起きている可能性もありえる。

消費意欲指数(月)
消費意欲指数(月)

月ベースで見ると、先に述べたように季節毎の上下を繰り返しながら、少しずつ全体的に下がっている様子が分かる。……とはいえ、正直分かり難いのは事実。そこで、前年同月比を算出し、同じようにグラフ化したのが次の図。

消費意欲指数(月、前年同月比)
消費意欲指数(月、前年同月比)

このようにしてみると、消費者の消費マインド・消費意欲においては、女性は前回の不景気(2000年初頭)とほぼ同じレベルにまで落ち込んでいるものの、男性はまだそれほどではないことが分かる。



リリースでは「計測以来の最低値」「昨年12月から最低値を3か月連続更新」などと大見出しで表記し、消費者の消費意欲が急激に減退している、しかも史上まれに見る落ち込みぶりだと述べている。数字からいえばそれは事実であり、消費者が生活防衛意識を高めていることは間違いない。

消費意欲が史上最低値を
示しているのは事実。
しかし全体的に長期で見て
消費意欲そのものが
漸減している過程での
不景気での買い控えなので
ごく普通の現象といえる。
しかし(あえて一番最初に載せた)年ベースの長期グラフを見れば分かるように、少なくとも調査母体においては不景気・好景気を経て、全体的に長期に渡り、消費そのものへの意欲が漸減しているのもまた事実。大まかな減少の中で、小さな減少の波が訪れたのだから、史上最低値を示しうるのは当然といえる。これが仮に、2002-3年の前回の不景気以降のグラフだけを見せられたら「急速に減ってるね」という印象だけが強く残ってしまうだろう。

繰り返しになるが、これらのデータ・グラフを見る限りにおいて、「商品やサービスの飽和状態」「強い欲求をかき立てる商品の欠乏」「何となくの満足感」が広まり、強い消費のエネルギーが減退している可能性がある。これはそれだけ身の回りが豊かになった証であると共に、商品やサービス提供側のアイディアが物足りないことも一因といえる。

逆に考えれば、商品・サービスの提供側の発想力次第では今の「モノが買われない、財布のヒモが堅い状況」を打破できる可能性があることも示している。ターゲットやコンセプトは多種多様だろうが、ピンチをチャンスに変えるアイディアマンが多数表れることを期待したいものだ。

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