新聞や雑誌が下落、インターネットは急上昇…過去20余年の媒体別広告費動向(2009年発表)

2009/02/25 19:40

[電通(4324)]は2009年2月23日、日本の広告費に関する調査報告書を発表した。それによると、2008年の日本の総広告費は前年比95.3%の6兆6926億円であることが明らかにされた。景気後退による企業の予算縮小を受けて、広告の出稿も減少。結果として広告費全体額も減ってしまった。今報告書では広告業界に関する多種多様なレポート・データもあわせて掲載されており、業界の動向を知るのにはよい資料となる。今回は1985年以降の主要メディア毎の広告費の移り変わりについて、グラフ化してみることにする(【発表リリース、PDF】)。

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今資料では【2008年の媒体別広告費をグラフ化してみる】にあるように、2000年以降の詳細データも載っているが、それと共に1985年以降の主要媒体毎の広告費も掲載されている。そこでこれを基に、グラフ化したのが次の図。

媒体別広告費とGDPの移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(右:GDP)
媒体別広告費とGDPの移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(右:GDP)

前回の記事と同様、計測基準の変更により2004年と2005年との間には断続性が生じている(正確には雑誌、インターネット広告、SP広告/プロモーションメディア広告の3項目)。特にSP広告などでは大きな差異が両年間に生じているが、それを念頭においた上で確認してほしい。

このようにグラフ化してみると、(断続性の部分は別にしても)オーソドックスな「SP広告/プロモーションメディア広告」がそれなりに順調な伸びを示していること(それでもここ一、二年はダメっぽいが)、今世紀に入ってからまともな成長を見せているのは「衛星メディア」と「インターネット広告」だけであることが分かる。

「雑誌」はそれでも2005年に少々ふくらんだようにも見えるが、これは「断続性」によるもので、むしろその差分が生じたあとはじわりと下げている。むしろそれより「新聞」が、多少の起伏はあれど1990年代前半にピークを迎えたあとは横ばい、2000年以降は急速に減少を見せているのが確認できる。「テレビ」は1990年代後半にピークを迎えたあとに横ばい、ここ数年で落ち込みつつある。

いずれの「伸び悩んでいる媒体」にも共通していえるのは、1990年代後半(媒体によっては前半)にピークを迎えたあと(広告費の)成長が止まっており、2002-2003年あたりから下げ基調を見せていること。この時期はちょうど、携帯電話やインターネットの普及など、新メディアが闊歩し始めた時期と一致する。

ちなみにこれが、各メディア毎の広告費前年比。最初に示したのは全項目で、あまりにも起伏が激しいインターネットとプロモーション広告のものを除いたのが次の図。

媒体別広告費の移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(前年比変化)
媒体別広告費の移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(前年比変化)

媒体別広告費の移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(前年比変化)(インターネット・プロモーション広告・衛星メディア除く)
媒体別広告費の移り変わり(1985-2008年)(単位;億円)(前年比変化)(インターネット・プロモーション広告・衛星メディア除く)

2004-2005年の間に断続性があるのでその部分がおかしな形になっているが、それをのぞけば前世紀まではGDPの変化とほぼ連動する形をとっていた。しかし21世紀に入ってからは連動性を失い、一貫して下げ基調にあることが分かる。これは【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】で民放連が指摘していたのとまったく同じ結果だ。



「広告費全体が削られているから既存メディアの広告費も減っている」という主張は筋が通らない。今回は掲載を略したが元データには総広告費も載っており、それによれば総広告費はGDPの伸びにほぼ連動する形で上昇。1985年と比べると2008年のそれは約2倍に達している。「テレビ」や「雑誌」の広告費も同じ程度に伸びており、「新聞」などの広告費が伸び悩んでいる理由にはならない。

また、21世紀に入ってからインターネットとプロモーション広告以外の媒体への広告費が総じて減っているが、総広告費は逆に増えている(さすがに景気後退に突入した2008年は減少しているが)ところを見ると、広告費から見た広告の重点という観点において、既存メディアのウエイトが削られつつあることが推測できる。

上記グラフを見る限り、2008年の前年比減少率は1990年代前半の不景気時と同じからそれ以上に達している。2009年分がどのような変化を見せるのかは、とりわけ年度が変わる4月以降、各媒体で見受けられる広告の出稿状況で見えてくるだろう。

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