【更新】会社側が払える賃金と勤めたい人が望む賃金をグラフ化してみる

2009/02/23 06:25

給料イメージ先に【職種別有効求人倍率と会社が払える賃金をグラフ化してみる】で、東京都の直近データ(2008年12月)における、職種別の有効求人倍率と「会社側がこれだけ賃金を支払いますよ」という支払い提示額をグラフ化した。その際、「こちらはあくまでも求職者の要望なので今グラフでは省略」としたデータに「求人賃金状況求「職」賃金(職を探している側が希望する賃金)」があった。今回はこのデータにスポットライトをあててみることにする。すなわち「雇う側」と「雇われる側」それぞれが希望している賃金を職種毎に照らし合わせてみたらどうなるのか、というグラフだ。

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データは前回の記事と同じく東京都の【ハローワーク統計データ】から。ここには各職種毎に求職側は平均希望賃金、求人側は希望賃金の上限と下限が記されている。前回の記事でもリクエストがあったのだが、平均値や中央値は残念ながらデータが無い。

各賃金についてだが、求人側の「下限」が「上限」以上になることはありえないし、今データでは求人側の「下限」が求職側の「平均値」を上回ることも無かったので、グラフ上の具体的値は「求人側上限」と「求職側平均」のみを記載することにした。

具体的グラフと、そこから見えてくる傾向の箇条書きは次の通り。

東京都職種別求人・求職賃金(2008年12月、一般常用)(太文字はその職種の中で「求人側上限」「求職側平均」のうちで高い方の金額)
東京都職種別求人・求職賃金(2008年12月、一般常用)(太文字はその職種の中で「求人側上限」「求職側平均」のうちで高い方の金額)

・全体的には「求人側賃金上限」の方が「求職側の求めている賃金平均」よりも高い。賃金面では、企業側がかなり譲歩している場面も。
・「事務的職業」「販売の職業」「運輸・通信の職業」「福祉関連の職業」「保安の職業」は、「求職側の求めている賃金平均」と「求人側の上限賃金」がほぼ一致している。
・「IT関係の職業」「専門的・技術的職業」のような特殊技術が求められている職種、「農林漁業の職業」のような従来なり手が少ない職種では、「求人側賃金上限」の方が「求職側の求めている賃金平均」よりもかなり高い値を示している。求職側のやる気と技術と条件のマッチがあれば、賃金面ではハードルは容易にクリアできそう。
・「管理的職業」では「求職側の求めている賃金平均」が、「求人側賃金上限」をはるかに超えている。求職側の賃金面での妥協を許さない状況が見て取れる。

管理職だった人の
再就職では賃金の
要求が高すぎる!?
それぞれの職種の賃金面からの特徴が見受けられ、非常に興味深い。特に最後の「管理的職業」では、部課長のような中堅管理職が何らかの形で退職し、再就職を求める際、同じような管理的職業に就こうとするものの、「手取りは出来るだけ以前の職のものに近い形で」と求めている様子が手に取るように分かる。

もちろん各職種・職業には細分化された業態があり、さらにそれぞれの職種・業態でも具体的求人案件によって「仕事の内容」と「その仕事における対価」は多種多様。例えば「保安の職業」において「求職側の求める賃金平均」と「求人側の賃金下限」にさほど差がないからといって、この職業の大多数で求職側に賃金上の不満が無いわけではない。あくまでもこのグラフは、職業・職種別に見た傾向に過ぎない。

賃金を考えるイメージとはいえ、その傾向自身をないがしろにするわけにはいかない。職種別の賃金面での状況を見て、先の「職種別有効求人倍率と会社が払える賃金をグラフ化してみる」と比較することで、「求人倍率が高いのになかなか職につけないのは、賃金面で妥協していないからなのか」など、賃金面から「求人・求職」を見つめ直すことができるからだ。

賃金は労働の対価であり、同時に従業員への評価そのものに他ならない。言葉通り「自分を高く売り込みたい」とするのは人の常というもの。しかし「賃金の妥協をしなかったら賃金そのものが手に入らなくなったでござるの巻」になってしまっては身もフタもない。「落としどころ」をどのあたりに求めるか、注意深く考える必要があるのだろう。

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