住宅ローン控除による確定申告は従来の1/3-不動産不況・雇用問題は確定申告にも影響あり!?

2009/02/21 08:45

確定申告イメージ楽天リサーチは2009年2月20日、確定申告に関するインターネット調査の結果を発表した。それによると、確定申告をする人の理由としてもっとも多くの人が挙げた項目は「医療費控除」で、今年の申告に対しては25.5%の人が同意を示していた。また、過去の申告理由と今年の申告理由を比較すると、住宅控除や転職・退職に関する年末調整、年金生活だからなど、いくつかの項目で「今年ならでは」の特徴を見出すことができる(『発表リリース』)。

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今調査は2009年1月21日から22日までの間、インターネット経由で21歳から69歳までの男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は10歳毎に等分割当。なおインターネット経由で行われた調査のため、ネット関連の項目においては世間一般の意識と比べ、やや高めになっている可能性があることを考慮する必要がある。

この時期になると猫も杓子も確定申告で、税金や申告に関する話題で世間は盛り上がる(!?)わけだが、実際に確定申告をする人はどのような理由で行うのだろうか。過去の申告理由と、今年(2008年分)の申告それぞれについてその理由を複数回答で尋ねたところ、双方においてトップは「医療費控除を受けるため」がもっとも多かった。

確定申告の理由(複数回答可)
確定申告の理由(複数回答可)

通院や入院、処方せんによる治療薬などの領収書をこまめにとっておくことで、「医療費控除」を受ける対象となる可能性がある。概算的には年間で総計10万円以上※かかれば医療費控除を受けることができるが、高齢者や大きな病気・けがで無い限り控除対象に該当するのは難しいかもしれない(【参考:国税庁】)。

※実際には総所得金額が200万円未満ならその額の5%。さらに各種保険給付金の額の分だけ除外されるなど、いくつかの計算が必要になる

第二位は「自由・自営業など職種上必要な人」。これはサラリーマンなどと違い、自分で税金対象額を把握し、納税しなければならない人のことを意味する。納税は国民の義務。滞納していると怖い人たちがやってきて、徴税したり重加算税が加わったりするわけだ。

第三位以降は今年と過去では大きな違いが出ている。その違いもあわせ、今年の特徴を中心に箇条書きにまとめると次のようになる。

・今年は「住宅ローン控除」「年末調整の自己申請」が極端に減っている。それぞれ住宅取得そのものの減少と、自発的転職や退職が減った(労働力の流動性低下)のが原因のもよう。「不動産の売買」の項目もこれまでと比べ極端に減っているのが裏づけとなる。
・「年金生活者だから」が増加。年金生活者数そのもの増加。
・「今年は確定申告を行うつもりはない」と回答する人が急増している。これは収入減など収支関連の環境の変化で、確定申告をする必要がなくなった人が急増している可能性を示している。

特に注目すべき2点を挙げると、まずは住宅周りの申告。「住宅ローン控除」「不動産の売買」が過去の事例と比べて極端に減っているが、これは取りも直さず不動産市況の軟調さを受けて売買そのものが減少、必然的に税金の控除を求めるために確定申告をする人も減ったことを意味する。不動産価格の急落は、こんなところにも影を落としているわけだ。

もう一つは「今年は確定申告を行うつもりはない」人の増加。他の項目が全般的にこれまでの値と比べて減少しているので「何かへんだぞ」と思ったが、ここで吸収されているわけだ。実に19.7ポイントも増加している。なぜ申告をするつもりは無いのかまでは今回の調査では問われていないが、パートやサラリーマンなど「した方がよい申告」者における収入が減ったため、申告する必要が無くなったのが一因かと思われる。過去と今年を比べて、割合として大きく減少した項目「複数企業から給与収入があるため」「贈与」などがヒントとなる。

ただ気になるのは、「医療費控除」も大きくその値を減らしていること。ジェネリック医薬品の普及で薬代が減った、と片付けるにはあまりにも影響が大きすぎる。もしかすると、ふところ事情が厳しくて医療費そのものも削ってしまう傾向にあるのではないか……そう考えると、少々胸が痛まざるを得ない。

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