【転送】今年倒産した上場企業をグラフ化してみる(2009年2月5日版)

2009/02/06 12:00

倒産イメージ(2009年2月5日版)昨年2008年は最終的に33件(上場廃止後に倒産したエー・エス・アイを含めると34社)の上場企業の倒産が数えられ、これは戦後最高数を記録した。不動産関連市場の軟調さに加え、さまざまなマイナス要因が重なった不運があるとはいえ、株価動向とあわせ常軌を逸していると表現せざるを得ない。前回2008年のデータを取りまとめ際に「2009年版の「今年倒産した上場企業をグラフ化してみる」を作るような事態(5-10社を超えた時点で検討)が起きないよう、祈らずにはいられない」としてみたものの、わずか1か月と足らずでその祈りも打ち崩されてしまった。そこで今回は2009年版としてデータを新規に入れ替え、2月5日時点での2009年分のデータを反映させたグラフを作成し、現状を把握できるよう試みることにした。

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まずは今年に入ってから、2月5日時点の上場企業における倒産企業一覧。1月に4件、2月に2件。合計で6件となる。

2009年における上場企業の倒産一覧(2月5日時点)
2009年における上場企業の倒産一覧(2月5日時点)

なお「不動産」には直接の不動産売買以外に不動産投資、不動産関連事業も含めてある。詳細に分類してもあまり意味をなさず、むしろまとめた方が状況を把握しやすいからである。

次に、セクター(業種)ごとに負債総額を累計し、負債総額全体に占める割合をグラフ化する。

2009年に倒産した上場企業の負債額区分(2月5日時点)
2009年に倒産した上場企業の負債額区分(2月5日時点)

不動産だけで7割強、建設も含めると9割超が「不動産・建設」という、不動産事業がらみの企業の倒産で生じている構造は昨今の状況から特に変わりがない(偶然の一致だが、割合まで2008年の総括版と同じである)。いかに今年の上場企業の破たん「も」、不動産業界と深い関係があるかがあらためて分かる。

負債総額の上位10位を並べてみても、不動産業界の苦境が見て取れる……とはいえ、現時点ではまだ6社なので全部で6社まで。

2009年における倒産上場企業負債総額上位10位と負債額(億円)(2月5日時点)
2009年における倒産上場企業負債総額上位10位と負債額(億円)(2月5日時点)

6社のうち3社までが不動産・建設業を占め、それらがすべて上位に来ていることからも、今年も不動産・建設の大型倒産が相次ぐであろうことを予見させるグラフである。特に2月5日の日本綜合地所の破たんは規模が大きく、他社のグラフを小さく見せてしまう形になっている。

月ベースでの上場企業の倒産件数は、現時点でまだ二月初旬ということもあり、まともなグラフにはなっていない。しかし1月の時点ですでに4件、2月第一週目でさらに2件というペースから見ると、先行きはあまり明るくは無い。

2008年における上場企業倒産件数(2月5日現在)
2008年における上場企業倒産件数(2月5日現在)

これが今年の天井なのか、それとも序曲なのか。現時点では分からない。

最後に「市場から失われた資金」を計算してみる。これは上場廃止告知日におけるその企業の株価に、その企業が発行している株式総数(ヤフーファイナンスから取得)を乗じた、いわば「倒産告知時の時価総額」。倒産≒上場廃止となればその企業の株式の流動性はほとんど無くなり、破産ならほぼ資産価値はゼロ、民事再生や会社更生でも上場廃止後に何らかの資産価値を得られる可能性は極めて低い(まれな例外として、上場廃止に清算された分配金が、上場廃止時の株価を上回る場合もある)。

そこでここでは、上場廃止告知日のその企業における時価総額を、「株価がゼロ」=「時価総額がゼロ」になると仮定し、その資金が市場から失われてしまうと考え(少なくともそれに近い額がそれぞれの株主から失われるのは確かである)、計算してみることにした。仮に倒産告知前に何らかの「気配」が感じられていれば、投資家はそれに気づき手持ちの株式を売り抜けようとするので、自然に時価総額も下がることになる。

2009年における倒産上場企業の倒産告知日における時価総額(≒市場から「失われた資金」)(2月5日現在)
2009年における倒産上場企業の倒産告知日における時価総額(≒市場から「失われた資金」)(2月5日現在)

・今年も「不動産」が
注目の業種か。
・日本綜合地所の負債総額が
桁違いに大きい。
去年と同じく「その他」セクターの比率が異様に高いが、これは1月16日に民事再生を出したエス・イー・エス(6290)の発行株式数が多く、時価総額が39.7億円に達していたため。ちなみに日本綜合地所の倒産告知当時の時価総額は36.6億円。負債総額はかなり大きくトップの位置にあるのだが、時価総額がここまで落ちていたということは、市場でもそれとなく気配を感じていたことが分かる。



昨年「5-10社に達したら」とコメントしたが、2月5日の時点で6社を数えたため、今回このような形で記述をはじめることになってしまった。早くとも3月あたりからでは……と思っていただけに、残念でならない。

東証の適時開示情報を見るに、綱渡り的なやり取りをしている企業や、赤ランプが点灯している企業を複数確認することができる。これから年度末に向けて、カウントしなければならない企業はまだまだ増えそうではある。

ちなみに今件記事においては、有価証券報告書提出未了などによる上場廃止は対象外なので、お間違え無く。

※日本綜合地所の負債は同社のリリースに掲載された、単独ベースのものを採用しています。関連会社のもあわせると2142億2300万円になります。

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