【転送】インターネット広告の影響力の拡大を図式化してみる

2008/02/23 10:00

広告イメージ[電通(4324)]が2月20日に発表した、日本国内における広告費に関する調査・推定結果「2007年日本の広告費(PDF)」についての分析記事は先に【2007年の広告費は7兆0191億円、インターネット広告は2割超の成長率・6000億円を突破】でお伝えした通り。既存「マスメディア」と呼ばれる「マスコミ四媒体」への広告費が減り、その分を補完してあまるほどの勢いでインターネット広告費が伸びていることなどが特徴だった。今回は発表されたデータについていくつかを図式化し、変化がより把握しやすくしてみることにする。

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総広告費は景気の伸縮と共に

まずは概要のおさらいと広告費全体について。2007年の広告費そのものは7兆0191億円となり、前年比で1.1%の増加。インターネットの広告費が24.4%のプラスと大きく躍進し、全体に占める割合において雑誌を超え、部門別では「テレビ」「新聞」「折り込みチラシ」に続く第四位のポジションに位置することに。一方で「マスコミ四媒体」と呼ばれる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」の凋落が少しずつだが見えつつある。

まずは1985年以降の広告費全体について。「経費削減はまず広告宣伝費から」という言い回しにもあるように、不景気時になるとまず節約の対象に挙げられるのは広告費。景気が悪くなると一番影響を受けやすい分野であるため、景気の良し悪しと広告費の増減はほぼ比例する傾向にある。

日本の総広告費(1985年以降)
日本の総広告費(1985年以降)

グラフを見ると景気の動向と極めて密接な関係にあることが分かる。特に伸びが著しいのはバブル期とITバブル期であるし、それぞれその後にやってきた不況(バブル崩壊とITバブル崩壊・金融恐慌)には広告費も前年比マイナスの値を示しているのがわかる。

また2005年以降急速なのびを示しているが、こちらは景気動向とは別に計測方法が一部変更になったためにおきたもの。2008年については電通の推測値をそのまま入力した結果である。

このようにして見ると、構成比は後述するように色々と変化がありながらも、全体として広告費は少しずつ伸びる傾向を示している。ちなみに今回図式化はしなかったが、GDP(国内総生産)にしめる広告費の割合はあまり変わっていない。

マスコミ四媒体の落ち込みをインターネット広告でカバー

次に計測方法変更後の2005年以降3年間における、媒体別広告費の推移を見てみることにする。

媒体別広告費推移(2005年~2007年)
媒体別広告費推移(2005年~2007年)

やや荒めの分析になるが、過去3年間においては「マスコミ四媒体の落ち込み分をそのままインターネット広告がカバーした」ように見えるのがお分かりいただけるだろうか。見方を変えれば「四媒体の広告費をインターネット広告が奪った」とも解釈できる。時としてマスコミがインターネットに対して異常なまでに敵対心を見せるのも、ここに遠因があるのかもしれない。すなわち「俺らの食い扶持を奪いやがって」である。

一方、屋外看板やダイレクトメール、POP、折り込みチラシなど地味で昔ながらの、同時に堅実な広告こと「プロモーションメディア広告」の伸びが意外に大きいことが分かる。これは先の記事で触れたが、「フリーペーパー・フリーマガジン」部門の大躍進や、ダイレクトメール部門の健闘が貢献している。この3年間の推移を見ても、一部落ち込んでいる部門もあるがマスコミ四大媒体のそれと比べると割合は少ない。

不景気だが伸びる総広告費、しかし対マスコミ四媒体広告費は……

最後に1999年以降の主要媒体別広告費の推移を見てみることにする。ただし先に述べたように広告費の分類については2005年より後と前で随分と変更が行なわれている。前後で計算方法が変わったことにより、正確な連動性はない。2004~2005年のラインを境目に、その前後の比較は「参考程度」に留めるべきだろう。

媒体別広告費推移(1999年~2007年)
媒体別広告費推移(1999年~2007年)

ITバブル崩壊と金融恐慌、それを経た小泉内閣による経済改革と景気回復の流れに従い、広告費そのものも上下しているのは先の図にもあるとおり。ただ、金融恐慌以降の景気回復時においても(非連続性の問題はあるが)マスコミ四媒体の広告費への減少傾向には歯止めがかからないのが見て取れる。その分インターネット広告がサポートして、ありあまるほどの伸び率を示しているのも分かるだろう。



広告費を主要収入源としているメディアにとって、広告費はそのまま世間に対する影響力であり「手ごま」であり、そして権威にすらなりうる。影響力が落ちているから広告出稿が減り広告費が減少しているのか、広告費が減ったから影響力が落ちているのか、どちらが先かは判断がつきかねるが、両方が同時に起きているというのが正解だろう。

地デジへの完全移行を間近にひかえ、テレビの影響力は大きく変わるという説がある。また新聞もインターネットに「おかぶ」を奪われ、影響力を大きく減じていることを自覚し、さまざまな手を打ちインターネットの「力」を取り込もうとしている。

各媒体の広告費の増減傾向はここ数年は変化することはないだろう。恐らくターニングポイントとなる地デジ移行の2011年前後、いちどきに、ではないがこれまでの蓄積という形で明らかな「変化」が生じるに違いない。

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