【転送】求人倍率の変化をグラフ化してみる

2008/12/29 12:00

求職イメージ厚生労働省は12月26日、2008年11月分の一般職業紹介状況などを発表した。それによると季節調整後の有効求人倍率は0.76倍となり、前月を0.04ポイント下回る結果となった。有効求人数は減少する一方(2.3%減)、求職者数は増加する(3.3%増)傾向を見せている(【発表リリース】)。

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景気の急速な悪化から雇用状況もそれに伴う形で軟調化を見せている。直前に【最新の非正規労働者の失職状況をグラフ化してみる】でも示したが、まずしわ寄せが非正規雇用者に現れ、それで吸収しきれずに正社員の雇用調整、さらには新規求人の調整にまで及んでいる。結果として求人倍率も1倍を切り、下降を続けている。

今回発表されたデータによると、新規求人数で業種別ではもっとも厳しいのが製造業、次いで情報通信業となっている。

主要産業別前年同月比新規求人数(パートタイムを含み新規学卒者を除く、%)
主要産業別前年同月比新規求人数(パートタイムを含み新規学卒者を除く、%)

特に製造業は昨年と比べて6割弱にまで新規求人数が落ち込んでおり、萎縮状態にあることが分かる。医療・福祉関連は減少率が小さいが、これはニーズが拡大していることが最大の原因(ただし人気のあるなしや労働環境の良し悪しとは別問題)。

発表データからリンクされているリンクをたどると、過去の有効求人数や有効求職者数、有効求人倍率などのデータを取得することができる。月次データは2002年1月以降のものが用意されているので(年次は1963年以降)、これを元にグラフ化したのが次の図(新規学卒者を除きパートタイムを含む)。

なお「有効求人数」は季節調整後の新規・継続を合わせた有効求人数(要は企業側が求めている働き人の数)、「有効求職者数」は季節調整後の新規・継続を合わせた有効求職者数(要は「働きたい」と考え職を求めている人の数)。有効求人倍率はこれら二つの数字から算出されたもので1倍超なら「求人数>求職者数」、1倍未満なら「求人数<求職者数」となる。

求人、求職及び求人倍率の推移(クリックで拡大表示)
求人、求職及び求人倍率の推移(クリックで拡大表示)

グラフやデータなどで見ると、

有効求職者数はここ数年の間減少の一途をたどっていた。しかし2008年4月頃から再び増加の傾向を見せている。
・有効求人数は2006年半ばをピークに多少盛り返しを見せつつも減少傾向を見せ、2007年夏以降急速な減少の傾向にある。
・求人数と求職者数は長年「求職者数>求人数」の傾向にあったが2006年頭から2007年11月頃までは「求職者数<求人数」の状態にあった。
・2007年11月以降、急速に減少する求人数によって再び「求職者数>求人数」となり、その後求職者数の増加及び求人数の減少が加速化し、有効求人倍率の減少も急カーブを描いて下落している。

などの傾向が見られる。特に「求職者数の増加」「求人数の減少」(=有効求人倍率の減少)が同時における現象は2002年以降はじめて見られることで、今後の動向を注意深く見守る必要があるだろう。

ちなみに、1963年以降の年次データを同様にグラフ化したのが次の図。

求人、求職及び求人倍率の推移(年次、クリックで拡大表示)
求人、求職及び求人倍率の推移(年次、クリックで拡大表示)

景気動向や就業スタイルの変化にもよるが、有効求人倍率が1倍超えの時期はさほど多くないことや、求人数が今世紀に入ってからは大幅に伸びている(契約社員や派遣社員制度の普及、また正社員にこだわらない就業スタイルの一般化が要因と思われる)のが把握できよう。

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