新聞と雑誌は前年比でマイナスが多数…4マス別個の業種別広告費推移

2023/02/27 02:00

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先行記事【総広告費は7兆1021億円・4マスはラジオのみプラス、インターネットは14.3%の伸び…過去30年あまりの媒体別広告費動向(最新)】にて解説の通り、電通は2023年2月24日付で日本の広告費に関する調査報告書を発表した。これには日本の広告市場動向が把握できる数多くのデータが盛り込まれている。今回はそのデータを用い、いわゆる4大従来型メディア(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ。4マス)に対する、各クライアント業種別の広告費について、前年比を調べることにする。各業種がそれぞれの媒体に与えている・認識している影響力、ウエイトの変化などが把握できよう(【発表リリース:2022年 日本の広告費】)。

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2022年における媒体別広告費前年比は次の通り。インターネット広告が堅調、4大従来型メディア(マスコミ四媒体)とプロモーションメディア広告は軟調との結果が出ている。

↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2022年)(再録)
↑ 媒体別広告費(電通推定、前年比)(2022年)(再録)

今調査報告書では広告出稿元(クライアント)を21業種に区分し、4大従来型メディア(テレビメディアにおいては衛星メディア関連は除く。グラフでは地上波テレビと表記)それぞれに対する出稿広告費、各メディアが受領している出稿額全体に対する構成比、そして前年比の一覧が掲載されている。

まずは新聞についてその動きに関するグラフを作成し、状況を確認する。なお次以降4媒体のグラフは、すべて縦軸の区分を同じものとし、状況の比較がし易いようにしている。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2022年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(新聞、前年比)(2022年)

雑誌とともに軟調さが際立つ新聞だが、2022年ではプラスの業種は2つのみ。他にプラスマイナスゼロが1つで、それ以外はすべてマイナス。新聞の軟調さが浮き彫りにされた形ではある。

最大のマイナス幅を示したのは家電・AV機器でマイナス22.1%。次いで家庭用品が大きめの下げ幅。他方、プラス幅では1割台の上げ幅を示した業種が2業種、精密機器・事務用品と交通・レジャーのみ。

続いて雑誌。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2022年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(雑誌、前年比)(2022年)

新聞は2業種がプラスだったが、雑誌は1業種、交通・レジャーのみ。1割以上の下げ幅を示した業種も多く、最大の下げ幅は出版のマイナス24.1%。紙媒体との観点では親和性が高い出版(新聞、雑誌、書籍、語学教材、他の刊行物)ではあるのだが。

次はラジオ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2022年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(ラジオ、前年比)(2022年)

4マスの中では唯一前年比プラスを示したラジオだが、その中身を業種別に見ると多数の業種でプラスが出ている実情がつかみ取れる。プラスは全部で11業種。案内・その他(案内広告、臨時もの、連合広告、企業グループなど)はプラス幅が大きすぎ、グラフの縦軸を突き抜けてしまうほど。もっとも額面は17億9000万円のため、全体に与える影響はごくわずか。

案内・その他に続き、ファッション・アクセサリーはプラス22.5%、化粧品・トイレタリーは17.3%と大きな値。最近ラジオのでこの企業、この業種のCMが多いと思っていたが、広告費が増えていたのかと納得する人もいるであろう結果に違いない。

最後は地上波テレビ。

↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2022年)
↑ 4大従来型メディアにおける業種別広告費(地上波テレビ、前年比)(2022年)

プラス業種数は10と、ラジオに匹敵するほどだが、全体値はマイナス2.4%となっている。1割を超えたプラス幅の業種はエネルギー・素材・機械、ファッション・アクセサリー、交通・レジャー、外食・各種サービスと4業種にもおよぶのだが。

4マスの中では一番広範囲への媒体力・告知効果が高いのが地上波テレビ。各商品・サービスとの相性のよし悪しもあるが、各業種の勢いが大きく表れているのが興味深い。



文中でも触れているが今回のグラフは、「各媒体を対象とした」「個々の業種別の」「広告費の前年比」。下げ率は同じでも業種が出稿している額面が異なれば、該当媒体に与える金額面の影響度合いは異なる。元々の金額が1ケタ違えば、前年比では同じでも、減った額・増えた額は1ケタ異なる。当然、広告出稿を引き受ける媒体側に与える影響も違ってくる。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2022年における各媒体の金額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度的指数を算出したのが次のグラフ。値が大きいほど、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。例えば前年比が30%のプラスでも、その業種が出稿する広告の総額が対象メディアにおいて0.1(%)しかなければ、影響度合いは0.3×0.1で0.03しかない。逆に伸び率が3%しかなくとも、総額比率が10.0(%)あれば、0.03×10=0.30となり、10倍もの影響度合いを持つことになる。

↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2022年の構成比、業界別)(2022年)
↑ 年間の広告費変移が与えた影響度(前年比×2022年の構成比、業界別)(2022年)

雑誌では化粧品・トイレタリーの下げ方が大きなマイナスの影響を与えている。他方、新聞では交通・レジャーが、ラジオでは外食・各種サービスと案内・その他が大きなプラス離影響を与えている。新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じている物価高騰という特殊環境下で、厳しくなった業種がどのメディアの広告費を削減したのか、伸長した業種がどのメディアに広告費を傾注投入したか、よく分かる結果となっている。

ともあれ、各媒体における各種業種への報道姿勢と、今件影響度双方の変化度合いを比較すると、色々と面白い連動性が見えてくる、かもしれない。


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