アメリカ自動車産業を救う10の提言
2009/02/16 08:30


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ガソリン価格が高くなるほど自動車産業は斜陽を迎える。しかしそれから目をそむけてはならない。もっと燃費のよい小型車を作るべきだ。SUV(Sport utility vehicle、スポーツ多目的車)を欲する人もいるが、ほとんどの人は「普通の」自動車で通勤するものだ。

自動車購入の際にちゅうちょしてしまう要素の一つが「税金」。燃費の良い自動車に対してもっと大胆な減税を行えば、自動車の購入意欲は高まるし、自動車産業側も積極的に低燃費車両の開発を推し進めるようになる。
3.ディーゼル自動車の推進をしてよ
アメリカではほとんどが通常のガソリン自動車だが、ヨーロッパではディーゼル自動車が多数を占めている。ガソリン自動車に比べると燃費の良いディーゼル自動車を推し進める時が今まさにやってきたといえる。それには適切な車種の開発と、アグレッシブな宣伝広報が求められる。
4.そんなに沢山の車種は要らないよ
1つの自動車メーカーは「車輪がつくものすべてを提供しよう」とばかりに、実に多種多様な車種を提供しているが、正直言って多すぎる。無駄無駄無駄ぁ。
5.昔の車種をアップデート(と称してちょっと手を加えるだけで新機種として発売)するのはやめてよ
色を変えたりちょっとスペックを変更するだけで、毎年「モデルチェンジしました」などどアピールし続けるような体質が、自動車産業を衰退させた一因。
6.ヨーロッパの自動車もどんどん輸入してよ
自動車の趣味趣向は多種多様なのだから、それをすべてアメリカ産の自動車でカバーしようという考えは的外れなもの。ヨーロッパ産の自動車も人気が高いのだから、ちゅうちょせずにどんどん積極的に代理店契約をして販売すべき。代理店業務を行う国内自動車メーカーも潤うし、よい刺激にもなる。

ハイブリッド技術や電気駆動技術、そして燃料電池技術の開発は短期ではなく中長期に行われるもの。これらは長期的に自動車産業を救う足がかりとなりうる。トヨタはプリウスの提示によりハイブリッド車をアメリカに広く知らしめたことで知られているが、燃料に関する根本的な解決までには至っていない。GMが開発中で2010年にも発売予定としている電機駆動車「シボレー・ボルト(Chevrolet Volt)」は、現時点でエンジン部分を作る工場の建設延期で先行きが不透明になっているが、アメリカの自動車産業にとっては大きな痛手となりうる、と原文では伝えている。
8.会社の「お金」をもっと有効に使ってよ
自動車企業の幹部が多額の報酬を受け取りながら、政府から巨額の公的資金を「おねだり」する情景を見るのはもううんざり。ゴールデンパラシュート(会社が買収されるなどして職を失うことになった役員に対し、多額の報酬を与える制度)などより、自動車産業を救う方法は他にあるはずだ(つまり「そんな制度を適用して『無駄使い』をするな」)。
9.先見性のあるデザインと技術を生み出してよ
かつてアメリカ産の自動車は欧州やアジア諸国に対し、一歩先行く技術とデザインを提供し、世界中から見本とされたもの。今その栄冠を短期間に呼び戻すのは非現実的かもしれないが、自国産自動車の輸出に関して悲観的になる必要もない。自動車の輸出(=自動車産業の活性化)を考えるのなら、デザインと技術開発にも注力しなければならない。
10.UAW(United Auto Workers、全米自動車労働組合)をどうにかしてよ
ビッグ3、そして自動車産業全体の再建の大きな障壁となるのがUAW(全米自動車労働組合)の存在。現状がすべてUAWのせいだ、とはまでは言わないが、同時にUAWがまったくの無罪というわけではない。願わくば自動車メーカー側がUAWを「飼いならす」ことができればよいのだが。

ただ、これら10個の「まっとうな」提言が「現在」行われているということは、逆に考えれば今までその「まっとうな」事すら満足に出来ていなかったことをも意味する。その観点で考えると、アメリカの自動車産業の復興には、体質そのもののダイナミックな改善が必要不可欠、と思えてくるのだが、どうだろうか。
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