食料品は節約志向の高まりで軟調、住関品は旅行需要などで堅調…2023年2月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス2.0%
2023/03/23 14:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年3月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年2月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年2月は行動規制が無かったことから旅行需要が発生し住関品が好調だったものの、節約志向から買い控え傾向が強まり食料品は苦戦。結果として、売上総額の前年同月比はマイナス2.0%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の56社・10714店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で34店舗増加、前年同月比で1078店舗減少している。売場面積は前年同月比90.4%となり、9.6%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス9.2%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:71.4%(前年同月比98.3%、▲1.7%)
・衣料品部門……構成比:4.3%(前年同月比106.4%、△6.4%)
・住関品部門……構成比:18.4%(前年同月比105.8%、△5.8%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比91.0%、▲9.0%)
・その他…………構成比:5.7%(前年同月比73.6%、▲26.4%)
※販売金額には消費税額は含まず
住関品は旅行需要で
堅調に。
畜産物は牛肉、豚肉、鶏肉は軟調。鶏卵は好調だが加工肉は不調。
水産品は、刺身盛合わせ、かつお、真いわし、うなぎ、冷凍魚、漬け魚、塩干物、しらすなどの動きはよかったが、まぐろ、生するめいか、たこ、ぶり、あじ、たら、さば、サーモン、塩鮭、魚卵、貝類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、焼物、天ぷら、中華は好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、飲料、牛乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト、食用油、マヨネーズ、パン類、冷凍食品、練製品、納豆、スナック菓子、キャンディー・ガム、半生菓子、ギフトなどがよかったが、米、アイスクリーム、水物、和・洋風調味料、カップ麺、鍋つゆ、インスタントコーヒー、チョコレート、和菓子、豆腐、缶詰、漬物、酒類の動きは鈍い。
衣料品ではスーツ、フォーマル、セットアップスーツ、ジャケット、スラックス、ドレスシャツ、カジュアルパンツ、カジュアルシャツ、アウター、スラックス・パンツ、ブラウス、ワンピース、ニット、カットソーなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、テレビゲーム、キッチン用品、ラップ・ホイル類、洗濯・清掃用品、文具、防災用品、ゴミ袋などの動きは好調だが、ペーパー類、ランチ用品、玩具、書籍・雑誌、たばこなどが伸び悩み。家電製品ではテレビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、乾電池、照明器具、ホットカーペット、電球などが堅調だが、食器乾燥機、掃除機、加湿空気清浄機などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、スキンケア、鼻炎用薬、シャンプー・リンス、カイロなどの動きがよく、解熱鎮痛剤、除菌ジェル、ハンドソープ、ハンドクリーム、住居用洗剤、台所用洗剤、防虫剤、マスクは軟調。
「その他」項目は前回月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス26.4%。サービスはマイナス9.0%と軟調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情ではある。
次回月となる2023年3月は2月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、新規感染者数は減少の動きをみせている。行動規制の類もなく、外出機会を後押ししている。気候はどちらかと言えば暖かい日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響もあって軟調かそこそこ、衣料品や住関品は今回月同様にそれなりのよい値を示すかもしれない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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