食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品は寒冷で堅調…2023年1月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス1.3%
2023/02/24 08:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年2月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年1月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年1月は行動規制が無かったことから年末年始における帰省需要などが発生。節約志向から買い控え傾向が強まり買い上げ点数は減ったものの店頭価格の上昇で食料品の動きはよく、衣料品は寒冷な気候で季節品が伸びて堅調、住関品は外出機会の増加で動きは堅調となった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス1.3%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の56社・10680店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で3店舗減少、前年同月比で1237店舗減少している。売場面積は前年同月比90.1%となり、9.9%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス12.5%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:68.2%(前年同月比100.9%、△0.9%)
・衣料品部門……構成比:5.6%(前年同月比108.3%、△8.3%)
・住関品部門……構成比:19.8%(前年同月比105.5%、△5.5%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比102.2%、△2.2%)
・その他…………構成比:6.2%(前年同月比89.1%、▲10.9%)
※販売金額には消費税額は含まず
衣料品は温暖寒冷で
季節物が動く。
住関品は帰省需要で
堅調に。
畜産物は牛肉、豚肉、鶏肉は堅調。鶏卵と加工肉は好調。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる。
水産品は、刺身盛合わせ、塩鮭、牡蠣、冷凍魚、漬け魚、塩干物、ちりめんなどの動きはよかったが、まぐろ、いか、まあじ、サーモン、塩さば、うなぎ、エビ・カニ、魚卵、海藻類、ホタテ、あさりなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、焼物、天ぷら、中華、焼き鳥、オードブルは好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、飲料、乳酸菌飲料、食用油、ヨーグルト、パン類、冷凍食品、カップ・袋麺、麺類、パスタ、レトルト食品、レギュラーコーヒー、水物、練製品、缶詰、半生菓子、スナック、手土産ギフトなどがよかったが、米、和・洋風調味料、シリアル、ビスケット、米菓、珍味、納豆、佃煮、漬物、酒類の動きは鈍い。
衣料品ではスーツ、フォーマル、セットアップ、ジャケット、スラックス、セーター、ドレスシャツ、カジュアルパンツ、カジュアルシャツ、アウター、スラックス・パンツ、カットソーなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、玩具、調理用品、キッチン用品、バス・トイレ用品、洗濯・清掃用品、行楽用品、子供用紙おむつ、書道用品、秋冬スリッパ、ゴミ袋などの動きは好調だが、ペーパー類、文具、書籍・雑誌、タオル、たばこなどが伸び悩み。家電製品では冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、掃除機、乾電池、照明器具、電球などが堅調だが、調理家電、空気清浄機などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、解熱鎮痛剤、総合感冒薬、抗原検査キット、オーラルケア、メイク、衣料用液体洗剤、カイロなどの動きがよく、ヘアケア、ヘルスケア、住居用洗剤、台所用洗剤、柔軟剤、マスクは軟調。
「その他」項目は前回月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス10.9%。サービスはプラス2.2%と堅調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情だが、それにもかかわらず健闘したようだ。
次回月となる2023年2月は1月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、新規感染者数は減少の動きをみせている。行動規制の類もなく、外出機会を後押ししている。気候はどちらかと言えば寒い日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響もあって軟調かそこそこ、衣料品や住関品は今回月同様にそれなりのよい値を示すかもしれない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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