竹島問題に関心が無い人3割強、理由は「生活に影響が無い」「知る・考える機会が無い」
2019/12/10 05:00

内閣府は2019年12月6日付で、竹島に関する世論調査の結果(概要)を発表した。その内容によると「竹島」について6割強の人が関心を持っていることが分かった。具体的関心内容としては「我が国の竹島領有の正当性」や「歴史的経緯」が上位を占めている。一方、関心が無い人ではその理由として「自分の生活にあまり影響が無い」「知る機会や考える機会が無かった」とする意見が多数を占めている(【内閣府:世論調査(附帯調査)(全調査)一覧ページ】)。
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竹島問題に関心がある人は6割強
今調査の調査要綱は先行記事【竹島そのものの認知度94.5%、「日本固有の領土」は77.7%(最新)】を参照のこと。
その先行記事にある通り、竹島は島根県に属する島で、日本領帰属の確定・固有領土。だが韓国による武力を用いた不法占拠・支配が継続されており、日本の施政権行使がさまたげられる状態が継続している。
その竹島について関心があるか否かを聞いたところ、強い関心を持つ人は25.0%、どちらかといえば関心がある人は38.7%となり、合わせて63.7%が関心派との結果が出た。

↑ 「竹島」について関心があるか
逆にどちらかといえば関心が無い人は22.2%、強く関心がない人は11.8%となり、合わせて34.0%が無関心派に属する形となった。先の記事「竹島そのものの認知度94.5%、『日本固有の領土』は77.7%(最新)」にもある通り、今調査対象母集団における竹島そのものの認知度は94.5%なので、「竹島を知っているが、関心は無い」人は全体の3割強存在する計算になる(知らなければ関心の持ちようは無いとの前提)。
また前回調査の結果と比較すると、「関心派」は値を増やし、「無関心派」は減る動きが確認できる。GSOMIAの件など昨今では韓国の動向に関する報道が増えており、その中で竹島についても多々報じられるようになったが、その動きが影響しているのかもしれない。
関心内容は「正当性」「歴史的経緯」「対応」、では無関心理由は?
関心派・無関心派それぞれにつき、その内容・理由を尋ねた結果が次以降のグラフ。まずは関心派の具体的な関心内容だが、「我が国の竹島領有の正当性」を挙げる人がもっとも多く、71.5%との結果となった。

↑ 「竹島」への関心内容(複数回答、関心派限定)
次いで「歴史的経緯」や「日韓関係に与える影響」「我が国の政府や地方自治体の対応・取組状況」「韓国の主張」が続く。見方を変えれば同問題について広報・啓蒙・公知を行う場合、これらの要件に重点を置いて情報を配信することで、効果的に需要に応えることができることになる。
また「他の人の意見や考え」「研究成果・論文」への値が低いのが目に留まる。これは他の主張などに興味は無く、関連問題における事実、実情を知りたい、興味があるといった関心派の認識が透けて見える。もっともこれらの値が低いのは、押し並べて一般的なメディアに周知されるこの類の話は、概して日本に対して否定的な内容のものが多く、それらに対する拒否反応の現れの面もあるのかもしれない。
一方、無関心派が関心を示さない理由として挙げたのは「自分の生活にあまり影響が無い」で、59.5%。次いで「竹島に関して知る機会や考える機会が無かった」が31.0%と続いている。

↑ 「竹島」に関心が無い理由(複数回答、無関心派限定)
国レベルでの外交・内政問題である竹島問題だが、一人一人の立ち位置から見れば、直接生活には関係の無い話と受け止められるのも無理は無い。ただしこれは周辺海域の施政権にもかかわる問題となり、対応次第では同島以外の問題にも連鎖反応が生じるリスクもある。要は「竹島一島だけの問題で、自分の日常生活には影響が無い」と回答者が考えているに過ぎない、見方を変えれば回答者の認識・情報が不足していることになる。この点では第2位の回答「竹島に関して知る機会や考える機会が無かった」も近いものとなる。
第3位以降の「内容が難しい」「紛争や武力衝突など負のイメージを連想する」は、個々の心境・性質の問題から、仕方の無い面もある。しかし第1位・第2位の理由は、多分に啓蒙・情報公知不足によるところが大きい。今調査の調査要目にある「(調査目的として)竹島に関する国民の意識を調査し、今後の施策の参考とする」を誠実に実行することを期待したい。
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