食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品は寒冷で堅調…2022年12月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス2.7%
2023/01/25 15:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年1月25日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2022年12月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2022年12月は店頭価格の上昇で食料品の動きはよく、衣料品は寒冷な気候で季節品が伸びて堅調、住関品は旅行・行楽をはじめとした外出機会の増加で動きは堅調となった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス2.7%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の56社・10683店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で21店舗増加、前年同月比で1214店舗減少している。売場面積は前年同月比90.1%となり、9.9%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス14.6%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:68.5%(前年同月比102.9%、△2.9%)
・衣料品部門……構成比:6.2%(前年同月比107.5%、△7.5%)
・住関品部門……構成比:19.6%(前年同月比108.4%、△8.4%)
・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比99.2%、▲0.8%)
・その他…………構成比:5.4%(前年同月比81.5%、▲18.5%)
※販売金額には消費税額は含まず
衣料品は温暖寒冷で
季節物が動く。
住関品は外出需要で
堅調に。
畜産物は牛肉は不調だったが豚肉と鶏肉は堅調。鶏卵と加工肉はそこそこ。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる。
水産品は、刺身、塩鮭、塩さば、えび、漬け魚、冷凍魚、ホタテ、みりん干、数の子などの動きはよかったが、まぐろ、いか、あじ、たこ、サーモン、かに、魚卵、あさりなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、焼物、天ぷら、中華、焼き鳥、オードブルは好調。要冷惣菜は、飲料、乳酸菌飲料、食用油、冷凍食品、ヨーグルト、デザート、アイスクリーム、パン類、カップ・袋麺、麺類、パスタ、カレー・シチュー類、水物、練製品、缶詰、半生菓子、米菓、豆菓子、漬物、手土産ギフトなどは好調だったが、米、和風調味料、珍味、納豆、佃煮、酒類は鈍かった。
衣料品ではコート、ジャケット、セーター、ドレスシャツ、カジュアルパンツ、アウター、スラックス・パンツ、レギンズパンツ、ボトムなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、ゲームソフト、ペーパー類、ラップ・ホイル類、バス・トイレ用品、正月用品、手帳、カレンダー、ゴミ袋などの動きは好調だが、ランドセル、キッチン用品、調理用品、文具、書籍・雑誌、タオル、たばこなどが伸び悩み。家電製品ではエアコン、液晶テレビ、こたつ、ホットカーペット、掃除機、乾電池、照明器具、電球などが堅調だが、理家電、空気清浄機などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、解熱鎮痛剤、総合感冒薬、抗原検査キット、オーラルケア、マスク、衣料用液体洗剤・柔軟剤、カイロなどの動きがよく、ヘアケア、フェイスケア、シャンプー、住居用洗剤は軟調。
「その他」項目は前回月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス18.5%。サービスはマイナス0.8%と軟調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情で、それが影響したのだろう。
次回月となる2023年1月は12月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があり、新規感染者数は高止まりで、平時と比べれば人々の行動意欲は頭を押さえらている。一方で旅行支援などの外出機会を後押しする要因も大きい。気候はどちらかと言えば寒い日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響もあって軟調かそこそこ、衣料品や住関品はそれなりのよい値を示すかもしれない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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