食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品は温暖で軟調…2022年11月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス0.8%
2022/12/21 14:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2022年12月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2022年11月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2022年11月は外出機会が増えたため内食化は減少し食料品の動きは鈍かったが、店頭価格の上昇を受けて堅調、衣料品は温暖な気候で季節品が伸びずに軟調、住関品は旅行・行楽をはじめとした外出機会の増加で動きは堅調となった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス0.8%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の56社・10662店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で44店舗減少、前年同月比で1220店舗減少している。売場面積は前年同月比90.0%となり、10.0%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス11.7%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:67.9%(前年同月比101.7%、△1.7%)
・衣料品部門……構成比:6.0%(前年同月比95.6%、▲4.4%)
・住関品部門……構成比:20.5%(前年同月比107.0%、△7.0%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比104.9%、△4.9%)
・その他…………構成比:5.7%(前年同月比79.4%、▲20.6%)
※販売金額には消費税額は含まず
衣料品は温暖気候で
季節物が鈍い。
住関品は外出需要で
堅調に。
畜産物は牛肉は不調だったが豚肉と鶏肉は堅調。鶏卵と加工肉はそこそこ。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる。
水産品は水産品は、かれい、はまち、あじ、塩鮭、冷凍魚、漬け魚、牡蠣、干物などの動きはよかったが、刺身盛合わせ、まぐろ、かつお、たこ、ぶり、サーモン、さんま、切身、魚卵、あさりなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、中華、焼き鳥、焼魚は好調だが、スナック類は鈍い。要冷惣菜は、和惣菜・洋惣菜ともに堅調。弁当、寿司も堅調。その他の食品では飲料、乳酸菌飲料、食用油、冷凍食品、ヨーグルト、アイスクリーム、パン類、カップ麺、麺類、米菓、スナック菓子、チョコレート、豆腐、練製品、インスタントコーヒー、和・洋菓子、半生菓子などは好調だったが、米、乳製品、シリアル、和風調味料、鍋つゆ、水物、納豆、漬物、佃煮、酒類は鈍かった。
衣料品ではスーツ、ニット、カジュアルシャツ、フォーマル、コート、レギンズパンツなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、ゲームソフト、ペーパー類、ウェットティッシュ、ラップ・ホイル類、カセットボンベ、行楽用品、キッチン用品、洗濯・清掃用品、クリスマス用品、子供用おむつ、たばこなどの動きは好調だが、ステンレスボトル、調理用具、文具、書籍・雑誌、タオルなどが伸び悩み。家電製品ではエアコン、食器乾燥機、乾電池などが堅調だが、洗濯機、テレビ、電気暖房機器、加湿器、照明器具、電球などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、解熱鎮痛剤、抗原検査キット、化粧品、除菌ジェル、ハンドソープ、オーラルケア、フェイスケア、衣料用液体洗剤・柔軟剤などの動きがよく、シャンプー・リンス、ヘアケア、衣料用粉洗剤、住居用洗剤、芳香消臭剤、カイロは軟調。
「その他」項目は前回月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス20.6%。サービスはプラス4.9%と堅調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情だが、それでも今回月は奮闘したようだ。
次回月となる12月は11月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があり、新規感染者数は増加に転じており、平時と比べれば人々の行動意欲は頭を押さえらている。一方で旅行支援などの外出機会を後押しする要因も大きい。気候はどちらかと言えば寒い日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響もあって軟調かそこそこ、衣料品や住関品はそれなりのよい値を示すかもしれない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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