生活費が足りなくなりそうな時のやりくり方法、トップは「支出を最低限必要なものだけに」(最新)

2022/08/18 02:56

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2022-0803新型コロナウイルスの流行による生産拠点での生産力の低迷や流通網の混乱、為替の変動、ロシアによるウクライナへの侵略戦争などを原因とし、昨今ではさまざまな商品やサービスの値上がりが目にとまる。それではそのような物価上昇の中で、生活費が足りなくなりそうな時に人々はどのような工夫をしているのだろうか。今回はソニー生命保険が2022年7月26日に発表した、家計に関する意識などの調査「家計防衛に関する調査」の結果からその実情を確認する(【発表リリース:家計防衛に関する調査2022】)。

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今調査は2022年6月9日から13日にかけてインターネット経由で18-69歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(10・20代、30代、40代、50代、60代)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

次に示すのは生活費が不足しそうな時に、どのようなやりくりをしているのかを尋ねた結果。もっとも多くの人がしているのは「支出を最低限必要なものだけに(とどめる)」で過半数の人が同意を示す形となった。

↑ 生活費が不足しそうな時のやりくり方法(複数回答)(2022年)
↑ 生活費が不足しそうな時のやりくり方法(複数回答)(2022年)

具体的に最低限必要なものの判断基準は明記されていないが、贅沢や余力がある要素はすべて取り払い、必要最小限にとどめて買い物をする・サービスを利用するということになるのだろう。そこには欲しいものがあっても我慢する行為も含まれることになる。

次いで多いのは「預金・貯金を取り崩す」で40.2%。もしもの時のための備えとして預貯金をしている人は多いだろうが、今がその時だとの判断で取り崩すことになる。そして値は大きく下がるが次いで「不用品を売る」、「親などに援助してもらう」「単発バイト・日雇いバイト」などが続く。

これらの行為で生活費の不足は何とかカバーできるかもしれないが、当然デメリットもある。「支出を最低限必要なものだけに」は買えなかったものに対する問題が生じるだろうし、得られるはずだった充足感が損なわれるために生活の質が下がることは避けられない。「預金・貯金を取り崩す」は自分の安心の素、保険的な役割を持っていた預金・貯金の額が減るため、安心感が損なわれることになる。「不用品を売る」は部屋もすっきりしてよいこと尽くめのように思えるが、後々実は必要だったと判明するかもしれないし、空いた部屋の部分がそのまま心のすき間のような思いを抱くことになるかもしれない。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。

↑ 生活費が不足しそうな時のやりくり方法(複数回答、年齢階層別)(2022年)
↑ 生活費が不足しそうな時のやりくり方法(複数回答、年齢階層別)(2022年)

10代・20代では他の年齢階層と比べて、「不用品を売る」「親などに援助してもらう」「単発バイト・日雇いバイトをする」が高い結果となった。この年齢階層では生活費不足を乗り切るために、保護者のサポートを受けたり、臨時収入を得る手段を気軽に行えるようだ。他方60代では「預金・貯金を取り崩す」が他の年齢階層と比べて高くなっており、老後に備えた蓄財を取り崩している実情がうかがい知れる。さすがにその年齢になると、「親などに援助してもらう」のは難しいようだ。

他方「支出を最低限必要なものだけに」はどの年齢階層でもあまり違いはなく、高い値を示している。生活費不足への対策としてのやりくり方法において、支出を絞るのは年齢に関係のない行為のようである。


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