2022年2月度外食産業売上プラス4.8%…3か月連続の前年比プラス

2022/03/25 14:00

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日本フードサービス協会は2022年3月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2022年2月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売上は前年同月比でプラス4.8%を示した。新型コロナウイルスのオミクロン変異株の影響で感染者数が増加傾向にあり、まん延防止等重点措置の適用地域が拡大されたことで、ファミレス系などが失速している(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が223、店舗数は3万5916店舗。今回月は前回月と比較すると事業社数は減少、店舗数も減少している。

全業態すべてを合わせた2022年2月度売上状況は、前年同月比で104.8%となり、4.8%の増加を記録した。これは前回月から継続する形で3か月連続の増加。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日は変わらず、土曜日も変わらず、売上にはプラスマイナスゼロ。気象環境では雨天日は東京は多く大阪は少なく、平均気温は東京と大阪ともに低めのため、客足への影響判断はいくぶんのマイナスと解釈できる。

新型コロナウイルスの流行による外出自粛や多人数が集まる場所への忌避感は強く、さらに2022年1月からは新型コロナウイルスのオミクロン変異株の影響で感染者数が急増、そしてまん延防止等重点措置の適用地域が拡大され、来店客数が減少を示すこととなり、ファミレスや飲食業態が失速することとなった。さらに従業員自身やその家族の感染も相次ぎ、店舗側では人員確保に窮する話も出ている。

結果として客数は全体では前年同月比でプラス0.9%を示した。一方で客単価はプラス3.8%となり、結果として総合売上はプラス4.8%に。

業態別に詳しく動向を見ると、ファストフードは全体では前回月から継続する形で12か月連続のプラス(プラス7.1%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風だが、そのメイン企業となるマクドナルドは、ファストフード全体をけん引するかのような好調さを示している。今回月では「物流の混乱によるフライドポテト供給の有無が各社の売上に影響した面もあるが、持ち帰り全般が好調」とあり、フライドポテトの供給不足が足を引っ張る麺があったものの、持ち帰りに適応していることが大いに売上に貢献し、新型コロナウイルス流行下におけるマクドナルドの好ポジションでの堅調さが継続していることがうかがえる。結果として売上はプラス13.0%とプラスに。なお3年前同月比、つまり新型コロナウイルス流行前となる2019年2月との比較では、プラス28.7%を示している。

なおマクドナルド単体の2022年2月における営業成績はプラス15.3%(売上、既存店、前年同月比)とプラスを示している。客数はプラス5.4%、客単価はプラス9.4%と堅調な伸びを示している。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス0.7%、客単価はプラス4.9%となり、売上はプラス5.6%。麺類は客数マイナス0.1%、客単価はプラス3.1%となり、売上はプラス2.1%。和風は「持ち帰りや月替わり商品等の好調」とある。持ち帰り米飯/回転寿司は売上がマイナス1.1%。「「回転寿司」の恵方巻キャンペーンは比較的堅調であったが、緊急事態宣言下の昨年の好調には及ばず」とある。

ファミリーレストラン部門は客数ではマイナス1.3%、客単価はプラス0.6%、売上はマイナス0.7%。再規制の発出などで、3年前同月比でも失速を示している。

パブ/居酒屋部門では、パブ・ビアホールの売上はプラス23.0%、居酒屋の売上はプラス5.0%。部門全体では売上はプラス23.0%を示した。「昨年も緊急事態宣言下にあったか、今年だけまん延防止措置が適用されたか、地域によって営業制限の度合いが異なり、企業の売上前年比にも差が出た」と説明されており、あくまでも新型コロナウイルス流行の影響を多分に受けた前年同月と比べればプラスであり、規制が実施された地域を中心に、状況はかんばしくないことがうかがえる。

ディナーレストラン(高級レストランに代表されるリッチスタイルな専門飲食店)は客数はマイナス1.0%、客単価はプラス2.9%で売上はプラス1.9%を示した。「まん延防止措置では、酒類提供時間が緊急事態宣言下より1時間緩和された地域もあり、一部店舗では夜間の来客が昨年より増加し」との説明がある。

今回月で60回目となるプレミアムフライデーの影響だが、解説コメントでは一切そのフレーズは確認できなかった。新型コロナウイルスの流行でそれどころではない、そもそも在宅勤務が増えているため実施する機会もないのが実情だろう。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2022年2月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2022年2月分)

↑ 外食産業売上前年同月比(業態別)(2022年2月)
↑ 外食産業売上前年同月比(業態別)(2022年2月)

↑ 外食産業売上3年前同月比(業態別)(2022年2月)
↑ 外食産業売上3年前同月比(業態別)(2022年2月)

規制地域拡大で
プラスは大幅に縮小。
コロナ禍前と比べれば
一部を除いて大幅なマイナス。
2014年4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響も直接的にはあまり生じなかった外食産業だが(今件各種公開値は税抜比較で行っているため、消費税率引き上げに伴う「税込の」売上上昇は、公開される業績動向には直接は影響を与えない)、2014年夏における天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題と2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は2014年夏以降は低迷感をぬぐえない状態が続いていた。特に後者は食材問題自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈する形となった。大きな社会問題化した異物混入事件まで加わり、2014年夏以降大きなシェアを有するマクドナルドに相次いでいる状況に、ファストフード部門、さらには外食産業全体が多分に振り回されている感はあった。

2015年7月からは軟調化開始から1年が経過することもあり、該当事業の「前年同月比における」マイナス幅は縮小。そして昨今ではヒット作も相次ぎ、数字の上でも明らかに復調している。現在はかつて自他ともに認められていた「洋風、そしてファストフード全体のけん引役」の立場に戻り、月次で毎月のように売上高の前年同月比1割前後のアップを示している。今後どこまで良好な数字を見せ、さらには外食全体の機関車的役割を果たすのか楽しみではある。

ファストフード内の和風のメインとなる牛丼チェーン店だが、吉野家を中心にこれまでの廉価店の店舗イメージから少しずつ、そして確実に、ワンステップ上の価格帯における商品展開を行う業務スタイルにシフトしている。客数の減退と客単価の上昇が連動して起きる状況が継続し、中期的戦略転換が数字となって表れている。

ファミレスは2016年以降は、雰囲気的にそれまでのような好調さとは異なる様相が見えつつある。中食に多分に客を奪われている感はあるが、もう少し状況を眺めたいところ。客数の伸び悩みが顕著ではある。報告書でも「客足が伸びない最近の傾向」との表記があるほど。しかし焼き肉だけは例外で、客数が伸び続けており、ファミレス部門におけるトレンドが変化しているのだろう。チェーンストアでも精肉部門は堅調なことから、食生活の変化の波に乗っているようだ。

吉呑み現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。もっとも居酒屋の業態そのものが時代に取り残されたわけではない。牛丼チェーン店の吉野家が展開している「吉呑み」が堅調さを示し、適用店舗数を続々と増やしている。

牛丼業界の動きやディナーレストランの動向を併せ見ると、外食産業でも消費の二極化が進んでおり、中庸的なポジションの市場が縮小している感は否めない。また消費者の中食志向の拡大や高齢化により、客の一部が奪われている・遠のいている雰囲気も見受けられる(特に持ち帰りができないファミリーレストラン)。吉野家やマクドナルドが夕食メニューに力を入れているのも、高齢化に合わせた動きの可能性も否定できない。さらにこれらの動きは総じて、客単価の引き上げという戦略目標にもつながっているとの解釈もできる。客単価の引き上げはファミリーレストランにも生じており、こちらも結果としては売上維持、さらには売上増につながる成果を示している。

テーブルにもソーシャルディスタンス新型コロナウイルスの影響だが、そもそも論として店舗が自主休業していれば客が来るはずもなく、営業しても(場合によっては自治体からの要請に従う形で)時短や販売品の制限を行うところも多く、イートインは客同士の距離を取るために収容効率が悪化、さらに来店客数そのものが三密忌避気運で少ないことから、客数は激減する形となった。企業も従業員のリスク回避で集団での外食をひかえたり、リモートワークの浸透で出社する人が少ないため催しで外食を使う機会が無くなり、これも大きなマイナスの影響を与えている。疫病の影響である以上、仕方がないとはいえ、衝撃的な値には違いない。

特にその店舗スタイルや就業者向けのビジネスの色合いが強いパブや居酒屋は大きな痛手が継続している。前年同月比でこそプラスとなったが、コロナ禍前の3年前同月比では燦燦たる状況である。

次回月の2022年3月分では、新型コロナウイルスの新規感染者数は漸減傾向にあるが歩みは遅く、まん延防止等重点措置は3月22日に解除されたものの各種自主的規制は継続していることから、外食産業にとっては厳しい状況。今回月のように前年同月比ではプラスでも、3年前同月比では客数が大きく減少し、売上もマイナスとなる業態が多々出てくるだろう。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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