平均69.7歳…運転免許を自主返納した高齢者の年齢実情

2021/11/29 03:23

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021-1121高齢者の人口比率の増加や一人暮らし世帯数の増加などを主な原因とし、高齢者による自動車の交通事故が社会問題化している。その対応策の一環として進められているのが、高齢者に運転免許の自主返納などを勧める動き。そのような社会情勢の中で、実際に運転免許を自主返納などした高齢者は、どれぐらいの年齢だったのだろうか。内閣府が2021年3月に発表した調査結果【高齢者の交通安全対策に関する調査(令和3年3月)】を基に実態を確認していく。

スポンサードリンク


今調査の調査要綱は先行記事【高齢者の運転免許の自主返納などの理由、トップは「自身の運転に自信がなくなった」】を参照のこと。

次に示すのは調査対象母集団のうち、実際に自主返納などをした人に対し、その時の年齢を尋ねた結果。自主返納などをした人全体では59歳以下でした人が8.8%いる計算になる。

↑ 運転免許を自主返納などした年齢(自主返納者など限定、属性別)(2020年度)
↑ 運転免許を自主返納などした年齢(自主返納者など限定、属性別)(2020年度)

自主返納などをした人全体では70代前半が34.0%ともっとも多く、次いで60代後半で25.1%。大体6割が70歳前後で運転免許を自主返納などをすると見ればよいのだろう。

居住地区別ではおおよそ地方に行くほど年齢が上になる傾向があるように見られる。都市部では80歳以上が8.7%しかいないが、過疎地では16.3%もいる。過疎地など地方になると、日常生活の上で自動車が必要不可欠なものとなり、なかなか運転免許を手放せないのだろう。ただし過疎地では59歳以下で自主返納などをしてしまう人ももっとも多く、16.3%に達しているのは興味深い。

他方、運転頻度別では大体頻度が低い人ほど年齢が下のうちに自主返納などをしているようだ。ほぼ毎日運転していた人は、80歳以上で自主返納などをした人が26.7%もいる。

この結果を各年齢階層の中央値などを用いて平均を概算したのが次の結果。自主返納などをした人全体では69.7歳という結果が出ている。

↑ 運転免許を自主返納などした年齢(自主返納者など限定、概算平均値、属性別、歳)(2020年度)
↑ 運転免許を自主返納などした年齢(自主返納者など限定、概算平均値、属性別、歳)(2020年度)

70代前半が多いために都市部でややイレギュラーが生じてしまっているが、おおよそ地方にいくに連れて自主返納などをした年齢は上がる傾向がある。やはり地方では買い物などで自動車が必要不可欠のため、運転免許を手放し難いのだろう。

運転頻度別では大体高頻度の方が自主返納などをした年齢は上になる傾向がある。まったく運転していなかった人は69.2歳だが、ほぼ毎日の人は72.0歳。

もっとも差異を強調するように下限を67.0歳にしたグラフの表記上、大きな差が出ているように見えるが、今件の属性区分の限りでは、最大値と最小値の差異は3.2歳分でしかない。運転免許を自主返納などする年齢は、居住地区や運転頻度の限りではあまり大きな差異はなく、大体70歳と見ればよいのだろう。


■関連記事:
【年齢層別の交通事故死者数(最新)】
【40代男性の過半数が「居眠り運転事故」を起しそうになったと自覚】
【死亡事故率2.5倍、89%は「対策強化必要」…高齢運転者の実情】
【60-70代の自動車運転者、4割は毎日運転・地方居住者は5割近くも】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS