毎日読んでいるのは小学生4.4%、中学生2.6%…気になる子供の新聞閲読率の実情(最新)

2023/10/30 02:42

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2023-1018メディアの多様化の結果として、いわゆる「新聞離れ」が指摘されている。実際、新聞の発行部数は漸減状態にある。それでは将来を担う子供達の間でも、「新聞離れ」は生じているのだろうか。文部科学省が2023年7月31日に発表した全国学力・学習状況調査の最新版となる2022年度版の内容などを基に、その実情を確認していく(【発表リリース:令和5年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について】)。

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今調査は2023年4月18日、国公立および私立の小中学校に対し悉皆調査方式(標本調査ではなく全体を調べる)で行われたもので、実施学校数は小学校が1万8821校、中学校が9702校。教科調査(学力テスト)は国語と算数・数学、英語(中学校のみ)が実施されている。なお2011年度は震災のため、2016年度は熊本地震により、熊本県の全校や宮崎県、大分県の一部の学校で同一期日での調査実施が見送られている。さらに2020年度は新型コロナウイルス流行により調査実施そのものが見送られている。

次以降に示すのは調査対象母集団における新聞の閲読実情。小中学生では自らが生計を立てて家計をやりくりし、その中から新聞を定期購読したり、通学の中で新聞を自前で購入して読むことは想定しがたいので、世帯で購入した新聞を保護者などとともに、あるいは一人で読むことが前提になる。

まずは小学生。

↑ 新聞を読んでいるか(小学生)
↑ 新聞を読んでいるか(小学生)

「新聞離れ」が小学生にも当てはまる実情が示されている。直近で小学生の閲読率は3割足らずでしかない。しかも昔と比べると今に至るに連れて、ますます新聞から距離を置く傾向を示している。通常の新聞は世帯で定期購読され毎日投函される状況を考えれば、ほぼ毎日読める機会は生じる。その上でその機会を活かし、日々新聞に目を通しているのは、直近では小学生で4.4%でしかない。新聞をまったく読んでいない小学生は7割強。

この減少傾向には、世帯ベースでの新聞購読率が減少しているのも少なからず影響しているものと考えられる。小学生が自前で新聞を購読しない以上、世帯で購読していなければ、読む機会はほとんどない。学校の図書館や学習塾などで読む可能性はあるが。

中学生では小学生以上に閲読率が低い。

↑ 新聞を読んでいるか(中学生)
↑ 新聞を読んでいるか(中学生)

直近では新聞を閲読している中学生は2割足らず、ほぼ毎日閲読しているのはわずかに2.6%。そして小学生同様に、昔と比べると今に至るに連れて、ますます新聞から距離を置く傾向を示している。中学生においても「新聞離れ」は確実に進行している。

たまにしか読んでいない人まで合わせても、直近では小学生では3割足らず、中学生では2割足らずしか新聞を読んでいない。もっとも古い2013年度の調査結果と比べると、大体半分程度にまで閲読率は減少してしまっている。世帯での新聞購読そのものが減っているのは事実だが、10年近くで半減してしまうことは考えにくいので(新聞の発行部数が2013年度から2023年度の間に、半分にも減っているわけではない)、小中学生の「新聞離れ」の原因の多分は、自身による選択の結果だろう。つまり、世帯で新聞を購読していても、それに手を出さず、読もうとしない状況が多く生じているものと思われる。

これらの小中学生が大人になった時、果たして新聞を改めて購入し、読もうとするだろうか。仕事上必要があれば購読するかもしれないが。


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