前年同月の反動を抑える形で食料品や住関品がプラス…2021年6月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス1.7%

2021/07/21 14:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2021年7月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2021年6月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2021年6月の食料品は前年同月における内食消費急増(プラス3.4%)の反動を受けたもののプラスを示し、住関品も前年同月のプラス(プラス9.1%)からの反動を抑える形でプラス化、一方衣料品は前年同月(マイナス4.1%)の反動による押し上げ効果があるにもかかわらず大幅なマイナスに。結果として、売上総額の前年同月比はプラス1.7%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

スポンサードリンク


今データは協会加入の56社・11834店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で15店舗増、前年同月比で1028店舗増加している。売場面積は前年同月比107.2%となり、7.2%の増加。売場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス4.7%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆1095億1466万円(前年同月比101.7%、△1.7%)

・食料品部門……構成比:67.2%(前年同月比103.0%、△3.0%)

・衣料品部門……構成比:6.0%(前年同月比84.7%、▲15.3%)

・住関品部門……構成比:21.7%(前年同月比106.5%、△6.5%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比123.9%、△23.9%)

・その他…………構成比:4.9%(前年同月比89.7%、▲10.3%)

※販売金額には消費税額は含まず

外出自粛環境と
感染症による
内食需要の喚起で
食料品は堅調。
住関品は反動を
振り切る形で堅調。
衣料品は行動自粛の影響で
大きく落ち込む。
農産品はじゃがいも、玉ねぎ、きゅうり、ミニトマト、枝豆、きのこ類、カット野菜などの動きはよかったが、白菜、キャベツ、大根、トマト、青ねぎ、小松菜、みょうがなどが不調。果物では桃、プラム、キウイフルーツ、バナナ、パイナップル、アメリカンチェリー、カットフルーツなどの動きはよかったが、さくらんぼ、りんご、グレープフルーツなどは鈍かった。 無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜はよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になっている。

畜産物は牛肉、鶏肉は好調だったが、豚肉は不調。鶏卵は堅調だったが、加工肉は不調。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる(今回月の一部種類の不調は前年同月の反動によるものだろう)。

水産品は刺身盛り合わせ、まぐろ、生かつお、あじ、いわし、いか、うなぎ、しらす、海藻類などの動きはよかったが、たこ、ぶり、かじき、塩鮭、冷凍切身、塩干物、干物などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は揚げ物、スナック、焼き物、中華は好調だった。要冷惣菜は、洋総菜・和惣菜ともに好調。弁当、寿司は堅調。その他の食品では冷凍食品、ヨーグルト、アイスクリーム、佃煮、水物、練製品、涼味麺、乾麺、菓子パン、シリアル、菓子類、酒類などは好調だったが、米、乳製品、牛乳、飲料、チルド麺、はちみつ、食パン、調味料、食用油、缶詰、納豆、漬物、粉類などの動きは鈍かった。

衣料品では長袖・半袖ドレスシャツ、ドライチノパンツ、ポロシャツ、Tシャツ、カラーフォーマル、ジョガーパンツなどが堅調。カジュアルパンツ、ショートパンツ、スラックス、スカート、ブラウス、カジュアルシャツ、カットソーなどが軟調。

住関品では日用雑貨品はランドセル、ステンレスボトル、弁当箱、ペーパー類、キッチン・トイレ用品、TV・カードゲーム、ゴミ袋、たばこなどの動きは好調だが、ウエットティッシュ、文具、エコバッグなどが伸び悩み。家電製品では空気清浄機、炊飯器、電気鍋、掃除機、除湿器、乾電池などが堅調だが、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、調理家電、照明器具などの動きは鈍い。医薬・化粧品ではカウンセリング化粧品、解熱鎮痛剤、柔軟剤、ボディソープ、シャンプー、フェイスケア、オーラルケア、除湿剤などの動きがよく、医薬品、体温計、うがい薬、ハンドソープ、除菌シート、UVケア、マスク、殺虫剤などが軟調。前年同月に新型コロナウイルス流行直後に大きく動いた商品が、前年同月比の勘案上落ち込んでしまっているのがよく分かる。また解熱鎮痛剤がよく売れたのは、新型コロナウイルスのワクチン接種で生じ得る副反応への対応のためだろうか。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス10.3%。サービスはプラス23.9%と好調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情だが、今回月は前年同月の反動の意味合いが大きいのだろう。

今回月となる6月は5月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があり、人々の行動抑制が強いものとなっている。食料品や住関品の前年同月におけるプラスからの反動があるにもかかわらずプラスを示した動き、衣料品においては前年同月におけるマイナスからの底上げがあったにもかかわらず大きなマイナスになってしまった動きは、昨今のチェーンストアの実情をよく表すものといえる。人の行動様式に大きな変化がない以上、次回月の2021年7月も今回月同様の動きを示すことになるだろう。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



■関連記事:
【定期更新記事:チェーンストア(日本チェーンストア協会発表)】(過去記事一覧)
【スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わり(最新)】
【かつてデパートの売れ筋商品、今は…スーパー・デパートの衣料品の移り変わり(最新)】
【「卵が高値をつけているのは、円安のせいだ、政策のせいだ、政府のせいだ」とつまみ食い的印象論の怖さ】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2021 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS