都市圏で下落傾向…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2020年12月発表分)

2021/01/12 05:00

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賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)・2020年度上期(2020年4月-2020年9月)」が2020年12月付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプ、要は小型・中型・大型に区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2019年度上期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には増加よりも減少回答者が多い結果が出ている。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国、前年同期比)(2020年度上期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国、前年同期比)(2020年度上期)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は14.5%。減少回答は24.0%を占め、流れとしては家賃の減少現象が見受けられる。「変化無しが6割台」と安定感があるとの解釈もできるが、後述するDI値がマイナス圏にあることも併せ、需給の観点では賃貸住宅の引き合いの弱さによる値下げ傾向が生じていることが分かる。見方を変えれば「借り手優勢市場」。

間取り別では大型が一番増加回答が少ないが、小型が一番減少回答が多い。特に小型の減少回答の多さが、全体の値に大きく影響を与えているものと考えられる。

これを首都圏、関西圏、首都圏・関西圏以外の地域に対象領域を区分し、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏、前年同月比)(2020年度上期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏、前年同月比)(2020年度上期)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏、前年同期比)(2020年度上期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏、前年同期比)(2020年度上期)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏・関西圏以外、前年同期比)(2020年度上期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏・関西圏以外、前年同期比)(2020年度上期)

首都圏、関西圏ともに増加よりも減少が多い、よくて同値となっており、特に小型の減少回答が多いのが目に留まる。他方、首都圏・関西圏以外では中型では増加の方が多くなっているのをはじめ、首都圏や関西圏と比べると増加の値が多い・減少の値が少ない感はある。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(増加から減少を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値、前年同期比)(2020年度上期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値、前年同期比)(2020年度上期)

プラスは首都圏・関西圏以外の中型のみ、プラスマイナスゼロは関西圏の中型のみで、あとはすべてマイナス。特に小型のマイナス幅の大きさが目立つ。これについて報告書では「大都市圏における学生や転勤者ニーズの減少などを背景として、成約促進策として募集賃料を減額したことが影響したものと思われる」と説明をしている。直接触れてはいないが、新型コロナウイルスの流行が影響したものと見て間違いないだろう。


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