子供達のパソコンを使ったインターネットの利用実情(最新)

2020/06/19 05:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
「若年層のパソコン離れ」とは最近よく聞く言い回し。実際にインターネットへの窓口としてスマートフォンやタブレット型端末が用意され、それを多用している現状、さらに保護者自身もパソコンから離れているケースも多々見受けられる以上、仕方のない話ではある。今回は9歳以下の子供達におけるパソコンを使ったインターネットの利用実情を、内閣府が2020年4月20日に発表した、低年齢層のインターネットに関する利用実情を調査した結果報告書から確認していくことにする(【令和元年度版青少年のインターネット利用環境実態調査】)。

スポンサードリンク


9歳以下のパソコンによるインターネット利用率


今調査の調査要綱は先行記事【スマホは3割強、タブレット型端末は1/4超…9歳以下のインターネット利用機器の利用状況】を参照のこと。

最初に示すのは、子供の年齢階層別におけるパソコンによるインターネット利用率。保護者の監視下での利用か、子供のみでの利用かは問われていない。また、インターネットに接続せずにパソコンを利用している場合は、今件には該当しない。なお空欄の部分は回答者が皆無であることを意味する。

↑ パソコンによるインターネット利用率(9歳以下、各年齢階層全体比、年齢階層別・機種別)(2019年)
↑ パソコンによるインターネット利用率(9歳以下、各年齢階層全体比、年齢階層別・機種別)(2019年)

昨今ではパソコンの利用実態としてデスクトップパソコンよりもノートパソコンの方が利用率は高くなっているが(今調査結果でもデータの表記序列はノートパソコンの方が先)、今結果でもその実情に合致した値が出ている。全体ではノートパソコンが5.3%なのに対し、デスクトップパソコンは2.9%でしかない。また、双方を合わせて利用している場合もあるが、単純加算しても1割に届かない。つまり、9歳以下におけるパソコンを用いたインターネット利用率は1割足らずとの計算になる。

年齢階層別で見ると1歳でデスクトップパソコンとノートパソコンの利用率が同率だが、それ以外ではノートパソコンの利用率はデスクトップよりも高い。また7歳でデスクトップパソコンの利用率が大きく跳ね上がるが、これは小学校に上がるにあたって、保護者の許諾が出るケースが多くなるからだろう。

インターネットにつないだパソコンで何をしているのか


続いてパソコンで何をしているのか。今項目は全体比ではなく、インターネットを利用している人に対する比率であることに注意されたい。

↑ パソコンによるインターネット利用で何をしているか(9歳以下、該当機種でインターネット利用者限定、複数回答、機種別)(2019年)
↑ パソコンによるインターネット利用で何をしているか(9歳以下、該当機種でインターネット利用者限定、複数回答、機種別)(2019年)

動画視聴がトップだが、ノートパソコンよりもデスクトップパソコンでの方が、より多くの割合で利用している。画面の大きさや操作性、そして保護者の監視下に置きやすいか否かで差が出ているのだろう。もっともそれ以外の項目でも多分においてデスクトップパソコンの方が値は高い。デスクトップパソコンでインターネットを使っている人に限れば、多様な使い方をしている次第ではある。

ただしインターネットの利用者そのものはノートパソコンが5.3%、デスクトップパソコンが2.9%と2倍近い開きがある。9歳以下全体の比率を計算すれば、ノートパソコンを使った人の方が高くなるのは必然ではある(例えば動画視聴の場合、全体比を試算すると、ノートパソコンは3.5%、デスクトップパソコンは2.3%となる)。

保護者の年齢階層別では


最後はこの類の調査ではあまり見受けられない、保護者の年齢階層別に見た、子供のパソコンによるインターネット利用率。子供が使っているパソコンは保護者との共用の場合が多いため、保護者のパソコンの利用性向が影響することになる。

↑ パソコンによるインターネット利用率(子供が9歳以下、各年齢階層全体比、保護者の年齢階層別・機種別)(2019年)
↑ パソコンによるインターネット利用率(子供が9歳以下、各年齢階層全体比、保護者の年齢階層別・機種別)(2019年)

子供のパソコンによるインターネット利用状況は、おおよそ保護者の年齢に比例するように見える。保護者の年齢が上になるに連れて、子供の利用率も上昇する。

これが保護者、つまり大人のパソコン離れを示しているのか、あるいは単純に若い保護者は子供の年齢も幼いので、必然的にパソコンの利用率も低くなるのか、そこまでの関係は見いだせない。保護者の年齢階層別から、さらに子供の年齢階層別に細分化した上で分析できればよいのだが、それに耐えうるだけの回答数が無いのが実情ではある。

いずれにせよ、結果の限りでは、保護者の年齢が上になるに連れて、その子供のパソコンによるインターネット利用率も上昇していくことだけは間違いない。


■関連記事:
【携帯電話、パソコン、テレビ…子供達の自分専用の所有率動向を探る(2016年)(最新)】
【スマホが伸び、パソコンが落ち込む…小中高校生のパソコンや携帯電話の利用率の変化】
【子供にパソコンを使わせるメリット、そして不安なこととは】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS