今年5週目の報告…熱中症による搬送人員数は1週間で468人(2021年5月24日-5月30日)

2021/06/01 17:00

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総務省消防庁は2021年6月1日、同年5月24日から5月30日の一週間における熱中症による救急搬送人員数が468人(速報値)であることを発表した。今年分は4月26日から熱中症による搬送人員数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人員数は1540人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は幸いにもゼロ人だったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は8人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2021年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2021年)

↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2021年5月24日-5月30日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2021年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2021年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし東日本震災から10年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

また2021年5月時点で気象庁が発表した最新の暖候期予報では、平均気温は平年と比べてやや高め(北・東・西日本で平年並または高い確率ともに40%、沖縄・奄美で高い確率50%)との話だった(【全国 暖候期予報(06月-08月)(気象庁)】)。降水量も平年と比べてやや多めとの予想(北・東・西日本で平年並または多い確率ともに40%)もあるが、熱中症リスクの観点では要注意な状況と判断できる。さらに今年は新型コロナウイルスの流行で、マスク着用を求められる場面が多いことから、熱中症には一層の注意が必要となった。

↑ 暖候期予報(夏(6-8月)の平均気温・降水量)(気象庁、5月時点)
↑ 暖候期予報(夏(6-8月)の平均気温・降水量)(気象庁、5月時点)

消防庁では例年と同じように熱中症による救急搬送人員数の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月26日から開始する形で、逐次報告を行うことを2021年4月8日の時点で発表している(【消防庁:消防救第124号「夏期における熱中症による救急搬送人員の調査」の開始について(依頼)(令和3年4月8日)】)。なお昨年2020年は新型コロナウイルス流行へ対応する消防のリソースを最優先するために平年の開始予定から延期され、調査開始は6月初日が含まれる週の月曜となる6月1日からとなっていた。

今回発表された各種値は今年の分としては第5週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象やラニーニャ現象だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報(No.344)について(5月12日発表)】によれば、「昨年夏から続いているラニーニャ現象は終息に近づいている」「ラニーニャ現象は春の間に終息する可能性が高い(80%)」とのこと。ラニーニャ現象下では平均気温において沖縄・奄美地方で低くなる傾向がある。夏までラニーニャ現象が継続していれば、沖縄・奄美地方での熱中症搬送者数は例年比でやや少なくなるかもしれないのだが。

地域別では埼玉県の46人をはじめ、東京都の42人、千葉県の29人などが人数の上で上位についている。人数で見ると関東から東海の太平洋岸に多い感はあるが、人口1万人あたりで見ると特段法則性のようなものは見出しにくい。もっとも絶対数が少ないため、何らかのアクシデント(例えば学校行事による集団の搬送事案)があればすぐに順位が変動する状況ではある。

↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2021年5月24日-5月30日)

↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2021年5月24日-5月30日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2021年5月24日-5月30日)

↑ 熱中症による救急搬送人員数(都道府県別、人)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 熱中症による救急搬送人員数(都道府県別、人)(2021年5月24日-5月30日)

↑ 熱中症による救急搬送人員数(人口1万人あたり、都道府県別、人)(2021年5月24日-5月30日)
↑ 熱中症による救急搬送人員数(人口1万人あたり、都道府県別、人)(2021年5月24日-5月30日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に気をつけましょう(横浜市 健康福祉局)】)。

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、2021年は4月28日から開始している。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が行われなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお持っておく必要があることに違いはない。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

まだ6月に入ったばかりで一部地域では梅雨入りを果たしているが、早くも東京都内で真夏日を観測した地域が出てくるなど、すでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期にある。特に今年は新型コロナウイルスの流行という特殊要因が加わっており、熱中症のリスクは確実に積み増しされている。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。


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