小学生が家庭内で自由に使える通信機器は何だろうか(最新)
2020/12/24 06:02


スポンサードリンク
今調査の調査要項は先行記事の【小学生の就寝時刻の実情をグラフ化してみる(最新)】を参照のこと。
次に示すのは小学生が家庭内で自由に使える通信機器(今件ではインターネットに接続可能なものを意味する)を複数回答で尋ねたもの。「(共有)」とは家族との共有、「(専用)」とは小学生専用を意味する。他にインターネットを利用できるテレビなどが想定可能だが、すべて「その他」で包括されている。また各端末種類の選択肢の「(子供)専用」において、保護者によって何らかの利用制限が設けられている可能性はある。なお学校や図書館など、家庭外での利用については対象外となっている。

↑ 家庭内で自由に使える通信機器(小学生、複数回答)
小学生専用のゲーム機(携帯型・据置型を問わず)は28.4%。他の調査結果から勘案するに、ゲーム機(共有)は多分に据置型、ゲーム機(専用)は携帯型がメインだろう。スマートフォンは利用可能な機能が多いことやコストがかかるからか、スマートフォン(共有)の方が高い値を示している。また仮に(共有)と(専用)で同一回答者がいなかった場合、小学生の約3割がスマートフォンを使っていることになる。
パソコンは(専用)が2.7%に留まっているが、(共有)は25.4%。恐らくは保護者が普段使っているパソコンか、お下がりとなった旧端末を保護者と共有する形で使わせてもらっているのだろう。
タブレット型端末も(共有)の値はパソコンとさほど変わらないが、(専用)の値は高く11.0%に達している。低コストでスマートフォンの延長上のように使えるからだろうか。
また22.8%は無しと回答している。つまり小学生の2割強は家庭内では自由に使える通信機器=インターネット接続機器が無いことになる。
パソコンとタブレット型端末、スマートフォンについて、属性別に区分して確認したのが次のグラフ。

↑ 家庭内で自由に使える通信機器(小学生、複数回答、属性別)
パソコンは女子より男子の方が値は高く、タブレット型端末もまた同様。しかしスマートフォンは(共用)こそ男子の方が高いが、(専用)は女子の方が高く14.5%との値を示している。女子の方が保護者に見られたくないというプライベートに対する思いが強いのだろうか。
学年別に見ると、パソコンは(共用)も(専用)もおおよそ学年が上がるに連れて値も増えていく。ただし(専用)は小学5年生で5.5%、小学6年生でも5.0%しかない。(共用)が小学6年生で36.5%であることを考えると、保護者にパソコンの利用方法を教わりながら利用しているというスタイルだろうか。
タブレット型端末は学年別では1-4年生まではパソコンよりも高い値を示している。また(専用)に限れば小学5-6年生でもパソコンより高い値。コストの安さや使いやすさが保護者から受けているのか、スマートフォンと似たような操作方法が受け入れられやすいのだろうか。
スマートフォンはおおよそパソコンやタブレット型端末と比べると値は低い。機動性の高さ=保護者の監視下から逃れやすいことや、コスト高、さらに子供向け専用となると外にも持ち出される可能性が高いのが要因なのだろうか。もっとも小学5年生では17.0%、小学6年生では21.0%がすでに自分専用のスマートフォンを持ち、少なくとも家庭内では自由に使えるのもまた事実ではある。
余談だが、今件調査項目で「パソコン(共有)」と答えた人の値をより詳しい属性区分で確認したのが次のグラフ。少なくともパソコンが使えるであろう小学生の割合を示すことになる。

↑ 家庭内で自由に使える通信機器(小学生、複数回答で「パソコン(共有)」と回答、属性別)
高学年になると値が上がり、男子では40.0%が家族と共有する形でパソコンを使えるようになっている。自分専用のケースも加えれば4割強は確実だろう。女子でも33.0%と1/3近く。この値が高いか低いかは評価が分かれるし、タブレット型端末やスマートフォンの並行利用も勘案しなければならないが、パソコンの利用に慣れ親しんでおく必要があるという考えでは、まだまだ少ないという解釈は十分できよう。
■関連記事:
【携帯電話、パソコン、テレビ…子供達の自分専用の所有率動向を探る(2016年)(最新)】
【パソコンを使う子供達、何をしている、何を見ている?】
【【更新】パソコンを持つ母親の子供、平均利用開始年齢は6.7歳・小学生になると利用率急増】
スポンサードリンク
関連記事
