節分当日に買われている…節分の恵方巻きの購入性向(最新)

2024/02/16 12:01

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2024-0216節分の日に恵方を向き、無言で食べ切るとよいことが起きる、願い事がかなうとして、風習化の傾向がある恵方巻き。一方でスーパーやコンビニの過剰入荷と売れ残り品の廃棄問題も社会問題化している。今回は総務省統計局の定点調査である【「家計調査」】の公開値を用い、節分の日における恵方巻きの購入性向の実情を確認することにした。

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まずは実際に、どれほどまでに節分の日に恵方巻きが買われているかを、家計調査から確認する。日次支出金額が確認できる二人以上世帯における、2023年の節分の日である2月3日を含む1-2月の動向が次のグラフ(性質上長期間の買い置きはしないものと思われるが、念のために1月も精査対象としている)。対象品目は「すし(弁当)」。飲食店以外の持ち帰りのすし類が該当し、冷凍品は含まない。具体的にはにぎりずし、まきずし、いなりずし、ちらしずし、折詰ずしが例に挙げられているが、恵方巻きはこの品目に該当すると考えられる。

↑ 二人以上世帯における日次支出金額(すし(弁当)、円)(2023年1-2月)
↑ 二人以上世帯における日次支出金額(すし(弁当)、円)(2023年1-2月)

節分の日当日の2月3日は言葉通りけた違いの値となる717.73円が出ている。節分の日における恵方巻きは、当日購入するのが一般的のようだ。食べるスタイルや消費期限を考えれば当然の話ではあるが。

さてこれをいくつかの属性別に区分し、その実情を見ていく。支出金額を詳しく確認できるのは年ベースのみなので、まずは二人以上世帯(原則夫婦世帯)における、2021年の一年間の恵方巻きに対する支出金額と購入頻度を示したのが次のグラフ。

↑ 二人以上世帯における支出金額と購入頻度(すし(弁当)、年間、世帯主年齢階層別)(2023年)
↑ 二人以上世帯における支出金額と購入頻度(すし(弁当)、年間、世帯主年齢階層別)(2023年)

↑ 二人以上世帯における支出金額と購入頻度(すし(弁当)、年間、世帯年収別)(2023年)
↑ 二人以上世帯における支出金額と購入頻度(すし(弁当)、年間、世帯年収別)(2023年)

あくまでも年ベースでの値なので節分の日に向けた支出金額とはそのまま結びつくわけではないが、日々恵方巻きなどのすしを食べる状況も考えにくいので、おおよそ節分の日における恵方巻きの購入性向と連動していると見てもよいだろう。年齢階層別ではきれいな形で、高年齢層ほど高い支出金額・購入頻度の値が出ている。単純に年を取るほどすしの類が好きになるのに加え、季節のイベント的な習慣を好むこと、そして金銭的余裕も関係しているのだろう。

他方世帯年収別では300-350万円未満を頂点とするような形で、支出金額・購入頻度ともに高めの結果が出ているが、それ以外では世帯年収による傾向が導き出しにくい結果となっている。おおよそは世帯年収と恵方巻きの購入との間には連動性は無さそうだ。

これを単身世帯で見ると次の通りとなる。なお単身世帯では購入頻度に関する指標は無い。

↑ 単身世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、世帯主年齢階層別、円)(2023年)
↑ 単身世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、世帯主年齢階層別、円)(2023年)

↑ 単身世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、世帯年収別、円)(2023年)
↑ 単身世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、世帯年収別、円)(2023年)

若年層(34歳以下)ではあまり買われておらず、中年層(35-59歳)でも平均で7452円。他方高齢層(60歳以上)では9000円以上の購入が確認できる。男女別では男性の方が積極的に恵方巻きを購入している。他方、世帯年収別では法則性の類は見いだせない。属性別の調査対象人数が少ないのも一因だが。

最後に地域別。こちらは総世帯における年間支出金額を用いている。

↑ 総世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、都道府県別、円)(2020年)
↑ 総世帯における支出金額(すし(弁当)、年間、都道府県別、円)(2020年)

全国平均では12671円。最低値は福岡県の8580円。最高値は石川県の17334円。地域属性はさほど影響を与えていないように思われる。他方、都道府県別の人口を考えれば、各地の支出金額総額のランキングは別のようになるのは容易に想像できる(試算では東京都の値がトップとなっている)。



すし(弁当)が恵方巻きに限ったものではないので断定はできないが、恐らく恵方巻きは節分の日当日に集中的に購入され、一般の世帯で消費されているものと思われる。年齢階層別では高齢者の方がよく購入しているようだ。地域別では近畿地方で多く買われているようだが、都道府県別の消費量を勘案すると東京都が一番となる。

元々半ば作られた形での風習ではあるが、皆が楽しむ分には恵方巻きを節分の日に食べるのは一向に構わない。ただ、過剰入荷のような問題は避けてほしいものではある。

余談ではあるが最近は夏の恵方巻きと称し、立秋の前日に節分の日同様の恵方巻きを食べようとの動きがある。

↑ 二人以上世帯における日次支出金額(すし(弁当)、円)(2023年8月)
↑ 二人以上世帯における日次支出金額(すし(弁当)、円)(2023年8月)

立秋(2023年は8月8日)の前日に恵方巻きの消費が活発化するような動きは見られなかった。むしろお盆休みにかけて増えている支出金額の方が大きい。これは帰省してきた子供や孫などのために、恵方巻きではなく他のすしを振る舞っているのが値となって表れているのだろう。


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