年賀郵便の利用実情をグラフ化してみる(最新)

2020/05/27 05:18

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2020-0526インターネットとソーシャルメディアの普及に伴い、日本郵便発行の年賀葉書による年賀郵便の利用が漸減する傾向にある。コミュニケーションの変化の影響による必然的な現象ではあるが、実情としてどの程度の減少が起きているのだろうか。公開情報として存在する年賀葉書の発行枚数そのものや年賀郵便の利用枚数を基に、その実情を垣間見ることにする。

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日本郵便発行の年賀葉書の発行枚数などは【年賀葉書の発行枚数などをグラフ化してみる(最新)】にもある通り毎年日本郵便から発表されている。それによれば直近年の2019年発行・2020年用年賀葉書の確定発行枚数は24億4090万1000枚。

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(再録)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(再録)

一方で年末の特定期日に投函された年賀状を翌年の元日にまとめて配達する年賀郵便の枚数は、直近2018年度(2019年の元日配達分)で19.1億枚。

↑ 引受郵便物などの件数(郵政省・郵政事業庁・日本郵政公社・日本郵政など、特殊郵便物、億件)(1946年度以降)(再録)
↑ 引受郵便物などの件数(郵政省・郵政事業庁・日本郵政公社・日本郵政など、特殊郵便物、億件)(1946年度以降)(再録)

これらの値から、いくつかの指標を算出する。まずは年賀葉書利用率。これは日本郵便が発行した年賀葉書のうち、実際にその年で年賀郵便として使われたのはどれくらいの割合なのかを意味するもの。例えばこの値が80%なら、発行された年賀葉書のうち80%が、その翌年元日に年賀状として届けられるように利用されていることになる。

↑ 年賀郵便用としての年賀葉書利用率
↑ 年賀郵便用としての年賀葉書利用率

実際には自分で印刷した私製葉書に専用の切手を貼り年賀状として用いる場合や、1月2日以降に届く形で投函せざるを得なかった年賀状もあるため(住所書きが間に合わなかった場合、送っていなかった相手から届いた場合の返礼としての年賀状)、年賀葉書がすべて年賀郵便に使われるわけではない。しかし1980年代前半ぐらいまではおおよそ100%を超えている。これは年賀葉書以外の私製葉書で年賀郵便として年賀状を出す事例が多かったものと考えられる。

しかし利用率は漸減し、1980年代後半以降は100%を割り込むのが当たり前となり、今世紀頭ぐらいからは70%台で推移する形となる。

年賀状を出す人そのものが減る場合は年賀葉書そのものも買われなくなるため、利用率に影響は与えない。利用率が漸減し、その後70%台を維持しているのは、年賀葉書を元日に届く形で出す人が減っている、あるいは年賀状として使う人が少なくなっているものと考えられる。その下限が70%台ということなのだろう。ともあれ直近年となる2019年元日用の年賀葉書では、発行枚数の1/4ほどが元日に配達される形での年賀状としては使われていないことになる。

仮に年賀葉書が年賀状として使われなくとも、普通の郵便葉書としての利用は可能で、手数料を支払えば普通の郵便葉書との交換もできる。とはいえ、利用率が低迷しているのもまた年賀葉書の実情ではある。

他方、年賀郵便が実際にどれほど使われているのかについて、国民1人あたりの枚数を計算したのが次のグラフ。人口の値は総務省統計局の人口推計のものを用いている。

↑ 年賀郵便利用枚数(1人あたり、枚)
↑ 年賀郵便利用枚数(1人あたり、枚)

年賀葉書の発行枚数のピークは2003年だが、一人あたりの年賀郵便の利用枚数ではそれよりも10年以上前の1992年にピークが生じている。この時の枚数は29.7枚。ちなみにこの年における年賀葉書の一人あたり枚数は30.9枚なので、ほとんどの年賀葉書が年賀郵便として用いられた計算になる(実際には私製葉書も使われているため、年賀葉書の利用率はもう少し下がる)。

ピーク以降は年賀郵便の利用枚数は漸減。直近年の2018年(2019年元日配達)は15.1枚。おおよそピーク時の半分。この年における年賀葉書の一人あたり枚数は19.3枚なので、4枚強は年賀郵便以外で用いられていることになる。


年賀郵便以外で年賀状として使われる年賀葉書がどれぐらいの数となるのか、それを知る方法は無い。年賀状の用意が年賀郵便の取り扱い期間に間に合わず、三が日以降に配達されるタイミングで投函する人や、自分からは出さずに送られてきた年賀状への返礼のみで済ます人が増えているとの話も多々聞く。

とはいえ、年賀葉書を年賀郵便用の年賀状として使わない割合、そして年賀郵便そのものの利用枚数が減っているのもまた事実ではある。


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