新型コロナウイルスによる経済への影響を多方面からグラフ化してみる(2020年5月23日時点)

2020/05/23 12:30

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2020-0523当サイトでは官公庁や業界団体の公開統計資料を基に、多方面の業界動向を数量的に精査している。今回は新型コロナウイルスの流行に対応するさまざまな取り組みなどの結果、経済にどのような影響が生じているかについて、気になる方面の動向を網羅する形でグラフに起こしてみることにした。

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用いる値は官公庁や業界団体の公開統計資料で、2020年1月以降の月次の動向を前年同月比で勘案したもの。売上高・金額が基本だが、それらが公開されていないものについては人数や台数を用いている。また、公開場所によって公開日が異なるため、すべての値が同じ月まで揃っているわけではない。グラフに反映する期間は、それぞれの対象の項目の最新値が収まる形で調整している。

まずは経済産業省の特定サービス産業動態統計調査をベースにした主要業界。

↑ 経済指標動向(特定サービス産業動態統計調査、売上高前年同月比)
↑ 経済指標動向(特定サービス産業動態統計調査、売上高前年同月比)

情報サービス業や物品賃貸が盛況。また意外にも結婚式場業やゴルフ場が2月までは大きく伸びていたが、3月に入って失速。外出自粛の動きが強まったためと思われる。他方、遊園地・テーマパークは2月時点ですでにマイナス18%もの減少を見せたが、3月にはマイナス98%。ほとんどの場所で一時休業の対応となったため、仕方がないとはいえ、信じがたい値ではある。パチンコホールは2月時点でマイナス3%だったが、3月に入ってマイナス20%と下げ幅を拡大する。

続いて日本フランチャイズチェーン協会や日本チェーンストア協会など、BtoCの販売店業界による業界全体の売上高。

↑ 経済指標動向(業界団体公開値、売上高前年同月比)
↑ 経済指標動向(業界団体公開値、売上高前年同月比)

日本政府が2月26日にはイベントの中止や縮小の要請、27日には学校の休校の要請をしたこと、2月28日に北海道で外出自粛を求める新型コロナウイルス緊急事態宣言が出され、3月1日には厚生労働省が「3密」を避けるよう勧告するなど、3月以降は外出自粛の動きが強まり、販売店では大きな影響を受けている。さらに4月7日には7都道府県に緊急事態宣言が発出され、16日には対象地域が全都道府県に拡大されたことで、外出自粛の動きはさらに強まり、また自主休業を行う店も増え、売上は減少する形に。特にショッピングセンターではテナントの休業が多く、売上が激減している。

なおショッピングセンターとチェーンストアの違いだが、「小売店舗や飲食店、美容院などの各種サービス業の店舗も入る商業施設がショッピングセンター」「単一資本による多数の店舗展開を行っているチェーン店がチェーンストア」となる。

チェーンストアは4月でもわずかマイナス5%に留まったが、一方でショッピングセンターは7割近い減少。業態の構成の違いが大きく差をつける形となった。また、同じ外食店でも持ち帰りやデリバリーにも対応できるファストフードは3月でも7%のマイナスに留まっているのに対し、「3密」が生じやすいファミリーレストランやパブ・居酒屋は客足が遠のき、あるいは自主休業などが影響し、大きな減少を示す形に。

続いて交通関連など。

↑ 経済指標動向(サービス産業動向調査など、前年同月比)
↑ 経済指標動向(サービス産業動向調査など、前年同月比)

2月の時点ですでに国際旅客機の利用者数はマイナス27%と大きな減少。ホテルなどの宿泊業も7%もの売上減を示している。業界各社単位の速報値の限りでは3月以降の減少幅は数割にも達していることから、3月以降の値は大きな減少となるに違いない。他方、宅配便の取り扱い個数は2月の時点ですでにプラス3%となっている。

次に車や電子機器などの販売動向。

↑ 経済指標動向(日本自動車販売協会連合会公開値など、前年同月比)
↑ 経済指標動向(日本自動車販売協会連合会公開値など、前年同月比)

実のところ車の販売台数は2019年10月の消費税率引き上げ以降低迷しており、2020年1-3月の動きはその影響によるところが大きい。しかし4月の大幅な減少は多分に外出自粛などによるものと考えられる。

パソコンは2020年2月に入ってから大幅減。学校の休校要請も一部では影響しているかもしれない。住宅勤務の必要性で需要が大きく増えたことで生じたパソコンへの特需的な動きは、4月以降に反映されるものと考えられる。

携帯電話は2020年2月の時点ですでに大きな減少。販売店の自主的な休業や営業時間短縮が響いているものと考えられる。

最後は経済産業省の家計調査などから、家庭内での動き。二人以上世帯を対象にした値である。

↑ 経済指標動向(家計調査など、二人以上世帯、支出金額前年同月比)
↑ 経済指標動向(家計調査など、二人以上世帯、支出金額前年同月比)

2月の時点で光熱・水道や交通・通信、教育、教養娯楽が減少。他方、食料や外食が増加している。外食が増えていたのはおかしなように見えるかもしれないが、家計調査の外食は飲食店における飲食費を意味し、飲食店(宅配すし・ピザを含む)により提供された飲食物は、出前、宅配、持ち帰りの別にかかわらず、すべて含まれるのが原因。恐らくは店内飲食は減ったものの、出前や宅配、持ち帰りなどが増えたのだろう。

3月に入るとインターネットを利用した支出の総額も大きくマイナスを示すだけでなく、食料もマイナス。外食も一気にマイナスに転じ、大きな下げ方を見せる。教養娯楽も下げ幅は2割近くまで拡大する。交通・通信の下げ幅が縮小しているのは、通信費が拡大したからだろう。



現時点で公開されている値を反映しているため、項目によってはまだ2020年2月分までしかなく、新型コロナウイルスの流行による動きが読み取れないものもある。今後逐次公開された値を反映させ、状況を確認していくことにしよう。


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