若者とお年寄り、音楽の聴取方法の違い(最新)

2021/05/12 05:04

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2021-0503音楽を聴く方法は多様にわたるが、どの方法を使うのかは人それぞれ。普段の生活に密着した手段を用いることが多いため、必然的に日常生活のスタイルが透けて見える傾向となる。今回は日本レコード協会が2021年4月に発表した最新の調査結果資料「音楽メディアユーザー実態調査 2020年版(公表版)」の結果を基に、音楽の聴取方法の傾向について、年齢階層別などで確認していくことにする(【発表リリース:2020年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。

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調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【年齢階層別の「音楽との付き合い方」】を参照のこと。

次に示すのは音楽聴取者限定における、具体的な音楽聴取の方法を尋ねた結果。代表的な選択肢を抽出してグラフにしている。なおハード・メディアなどとインターネットサービスで縦軸の区切りは揃えてある。

↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、ハード・メディアなど)(2020年)
↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、ハード・メディアなど)(2020年)

↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、インターネットサービス)(2020年)
↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、インターネットサービス)(2020年)

実物が存在するハード・メディアなどの代表ともいえる音楽CDはどの層も大体同じぐらいの利用状況。他方、インターネットサービスでは、YouTube、定額制音楽配信サービス、無料音楽アプリ・サービス、さらには無料配信型ライブともに、おおよそ若年層ほど利用している人が多く、年齢が上になるに連れて少なくなっていく。よく見ると一定額の支払が必要な定額制音楽配信サービスは12-19歳では他の年齢階層と比べた差異がさほど大きくないのに対し、無料でも利用できるYouTubeや無料音楽アプリ・サービス、無料配信型ライブでは12-19歳の値の他の年齢階層と比べた差異が大きなものとなっていることから、金銭的なハードルが12-19歳においては大きく影響しているものと考えられる。元々インターネットを利用した音楽に対する欲求度合いは高く、金銭面がクリアできるものなら積極的に利用したいと考えているということか(単純に「無料の音楽聴取方法なら利用したい」ならば、テレビやラジオも12-19歳の値がずば抜けて高くなるはずだが、その傾向は見られない)。

利用者による実行動で聴取することが可能となる方法としては、カラオケやコンサート・ライブ(ソロ)は若年層ほど利用率が高く、高齢層ほど低くなる。しかしテレビやラジオはむしろおおよそだが高齢層ほど利用率が高くなるのは興味深い。

男女別で見ると、ラジオと定額制音楽配信サービスは男性の方が利用する人は多いが、それ以外では女性の方が多い。特にテレビでは、男性との差が大きく開く形で女性の利用者が多い結果が出ている。女性の方が音楽には積極的になる傾向があるということなのだろうか。

ちなみにハード・メディアなどの代表としてテレビ、インターネットサービスの代表としてYouTubeをピックアップし、並べる形で同じグラフに収めると次のような形となる。

↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、媒体別)(2020年)
↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、媒体別)(2020年)

テレビは高齢層ほど、YouTubeは若年層ほど利用率が高い、特に若年層ではテレビとYouTube間の値の差異が大きなものとなる、YouTubeでは男女間の差はさほど無いが、テレビでは大きな差となっているなどがよく分かるグラフとなる。

余談だが、テレビと同じ電波媒体のラジオはこのような状況となっている。

↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、ラジオ)(2020年)
↑ 音楽聴取方法(複数回答、音楽聴取者限定、ラジオ)(2020年)

女性よりも男性の方が利用者が多いのは注目に値する。そしておおよそだがテレビ同様高齢層の方が多く利用しているのは、電波媒体特有の「無料で気軽に受け身で利用できる」という特性からだろうか。昔からの手段として広く普及しているのも要因には違いないが。


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