世帯年収100万円未満では4割台、2000万円以上では9割近く…持家率と世帯年収の関係をグラフ化してみる(最新)

2020/02/21 05:12

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2020-0211価値観は人それぞれのため賃貸住宅の方が身軽でよいとの意見を持つ人も少なくないが、多くの人は自分の持家を手に入れることを望んでいる。一方で自転車や扇風機ほどの気軽さで買える金額ではないため(大抵の人にとっては人生で一度きりの買物、あるいは受取物となる)、住宅購入には慎重になり、またなかなか手が届かないものでもある。今回は総務省統計局が2019年4月26日に発表した、2018年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果を基に、世帯年収別の持家率の実情を確認していく(【発表ページ:平成30年住宅・土地統計調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事【住宅の空き家率は13.6%で過去最高に(最新)】を参考のこと。

次に示すのは世帯年収別に区分した、持家率の実情。この持家率とは居住世帯のある住宅(空き家でない「住宅」)のうち、居住世帯が所有している住宅の割合を意味する(報告書では「持家住宅率」と表現している)。同居世帯は持家に住んでいるはずはないので勘案に含まれず、住宅以外の建物に居住する世帯も住宅に住んでいるわけではないので除外されている。

↑ 持家率(世帯年収別)(2018年)
↑ 持家率(世帯年収別)(2018年)

このグラフの世帯年収の区分はあくまでも「”回答時点”の世帯年収別」であり、「住宅購入・入手時の世帯年収」ではないことに注意が必要になる。たとえば遺産相続で住宅を譲り受けたり、「かつては高年収でその時に住宅を購入した」が「収入主が別居・死別などでいなくなり、あるいは転職や失職、退職で今は世帯収入は低い」とのパターンも考えられる。さらに年金生活者で世帯年収は低いが貯蓄を切り崩して生活している人もいる。

とはいえ、世帯年収の差で持家率に最大2倍近くの差が出ている実態は、「目指すは一国一城の主」との言葉の実現が、世帯収入という現実問題を避けて通れないことがあらためて認識できる。もちろんその差異はよくない、だから所有権付き住宅を無料で配ろうとの主張は、現在の日本では無茶でしかない。ともあれ色々と難しい現状を、このグラフは提起しているように見える。

他方、持家ではなく借家住まいの割合は次の通り。世帯年収別にどのような住宅に住んでいるかの割合を網羅したグラフも併記しておく(全体部分のみで「不詳」があるのは、世帯年収の回答が「不詳」で、それに連なる住宅種類も「不詳」と回答したため)。

↑ 住宅の世帯率(住宅種類別・世帯年収別)(2018年)
↑ 住宅の世帯率(住宅種類別・世帯年収別)(2018年)

↑ 世帯年収別住宅種類(2018年)
↑ 世帯年収別住宅種類(2018年)

おおよそ低世帯年収ほど民間借家や公営借家を利用する割合が高くなる。100万円未満の世帯は4割以上が民間借家。UR・公社借家は家賃の上ではリーズナブルなことで知られているが、利用条件の厳しさや物件の絶対数の問題から、利用できる人が少ないのが実情。給与住宅(社宅や公務員住宅などのように、会社や団体、官公庁などが所有または管理して、その職員を職務の都合上または給与の一部として居住させている住宅)はそもそも給与住宅を持つ企業や公的機関に勤めていないと借りることができないので、必然的によい環境下の職場での就業者となり、世帯年収も高いものとなる。

条件のよい公営借家は今でも競争倍率が高く、なかなか当選しない。また応募資格も厳しいところが多い。公営借家は利用されている現状を踏まえ、またその存在意義を反映し、「しかるべき人たち」に提供されてほしいものである。


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