心理的瑕疵物件と判断される条件をグラフ化してみる(最新)

2020/02/12 05:20

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2020-0127賃貸住宅を探す時に重要なチェック項目として心理的瑕疵物件か否かとの問題がある。心理的瑕疵物件とは屋根が傷んでいたり白アリが巣食っていた経歴があるような物理的な問題点ではなく、住む人が心理的に嫌な思いをする可能性がある問題を抱えている物件を指す。ただし心理的瑕疵物件について公的なガイドラインや明確な判例はなく、個々の物件の特性や地域の環境など多様な条件の上で判断されることが多い。今回は賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」が半年ごとに同協会公式サイトにて発表している【賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)】を基に、心理的瑕疵物件の具体的な判断要素について賃貸住宅業界の実情を確認していく。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

最初に示すのは契約の際に必要となる重要事項説明(売買や賃貸契約の前に買い手・借り手側に行わねばならないと法的に定められている説明)において、心理的瑕疵を加えねばならないと判断している位置。例えば全国で当該住戸のみは65.7%とあるので、心理的瑕疵と判断される事案(居住者の室内での自殺など)が発生した住戸自身においてのみ、その旨を説明するとしている。つまり隣の住戸で事案が発生していたとしても、説明には加えないとするもの。

↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明で対象となる住戸などの位置(2019年上期)
↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明で対象となる住戸などの位置(2019年上期)

全国では65.7%が当該住戸のみ。12.4%が当該住戸だけでなく、その住戸を含む一棟すべてが説明する必要があるとしている。6.6%は当該住宅とその両隣までが説明の必要あり。地域別では関西圏において当該住戸のみとする意見が多数を占めているのが目に留まる。

報告書では選択肢での回答の他に、状況によりけりだとする意見、事故のレベルや騒がれ方、該当事案での対象者の亡くなり方次第とする声も確認できる。また「規模や物件構造模による違いは考慮すべき必要がある」との但し書きもあり、回答状況はあくまでも回答者の基本としての考え方に過ぎず、実情はケースバイケースであることがうかがえる。

それでは具体的にどのような事案が心理的瑕疵と判断されるのか。科学的根拠が無い噂などで住民の定着率が低い場合、近隣に暴力団事務所などリスクが想起される存在がある場合も判断対象となりうるが、主要な事案として人が亡くなったケースに限定し、あてはまるものを回答してもらったのが次のグラフ。

↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明で対象となる亡くなり方(複数回答、*は事件性の無いもの)(2019年上期)
↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明で対象となる亡くなり方(複数回答、*は事件性の無いもの)(2019年上期)

もっとも多いのは「室内で自殺」で74.6%、次いで「室内で病死・損傷や異臭の発生あり」が69.4%、「室内で他殺」の64.9%が続く。孤独死が社会問題化する昨今では「室内で病死・損傷や異臭の発生あり」が高い値を示すのも当然の結果ではある。また室内以外の共用部で事案が発生した場合も半数前後が心理的瑕疵に該当するとしている。その一方で「重要事項説明を行わない」とする回答もわずかだが確認できるのは気になるところ。

報告書では「都度、弁護士に確認(発見までの日数などで勘案される)」などの個別意見があったとした上で、業界側では慎重な対応を推進していると説明している。


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