単週で2万人近く…熱中症による搬送者数は1週間で1万8347人(2019年7月29日-8月4日)

2019/08/06 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
総務省消防庁は2019年8月6日、同年7月29日から8月4日の一週間における熱中症搬送人数が1万8347人(速報値)であることを発表した。今年分は4月29日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は3万6425人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は57人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は729人が確認されている。なお前年2018年の同時期における熱中症による救急搬送人数は1万2477人(確定値)で、今回週の人数はそれと比べて5870人も多い(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

スポンサードリンク


↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値(一部確定値)、人)(2019年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値(一部確定値)、人)(2019年)

↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2019年7月29日-8月4日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2019年7月29日-8月4日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2019年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2019年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から8年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また2019年4月時点で気象庁が発表していた最新の夏季予報では、平均気温はほぼ平年並み(北日本でやや低め、沖縄・奄美地方で高め)となる可能性が高いとの話だった(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁)】)。降水量は全国的に多めとの予想とも併せ、熱中症リスクの観点ではいくぶんの安心感を覚えさせるものの、油断は禁物。他方、ここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 季節予報(平均気温・降水量、夏 6-8月)(気象庁、4月時点)
↑ 季節予報(平均気温・降水量、夏 6-8月)(気象庁、4月時点)

消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月29日から開始する形で、逐次報告を行うことになった(終了日は9月末日が含まれる週の週末)。

今回発表された各種値は今年の分としては第14週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。

今回計測週では各地で梅雨明けを果たすとともに夏らしい日が続き、各地で真夏日、さらには猛暑日が観測された。一方で不安定な気象状況も一部で生じ、局地的な大雨が降ることもあった。

なお7月29日には関東甲信が、30日には東北南部が、31日には東北北部が梅雨明けし、これで全地域が梅雨明けとなった。

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象やラニーニャ現象だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.322(2019年6月)】によれば、「エルニーニョ現象が終息したとみられる」「今今後秋にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高い(60%)」とのこと。天候への影響はなさそうだが、一方で「インド洋熱帯域は海面水温の高い状態が続いている」とも報告されており、これにより統計的には「降水量:北日本日本海側、東日本太平洋側で多い傾向。北日本太平洋側、西日本日本海側で並か多い傾向」「平均気温:沖縄・奄美で高い傾向」「日照時間:北日本で少ない傾向」とのこと。沖縄・奄美地方では熱中症のリスクが高まりそうではある。

地域別では東京都の1857人をはじめ、愛知県の1342人、埼玉県の1307人、大阪府の1210人などが上位についている。今回週は東日本や北日本を中心に晴れ渡り、真夏日(日中最高気温が30度以上の日)や猛暑日(日中最高気温が35度以上の日)が観測されたことから、東日本や北日本の人口の多い地域で搬送人数が多くなったようだ。

↑ 東京都の最高気温と天候(2019年7月29日-8月4日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2019年7月29日-8月4日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2019年7月29日-8月4日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2019年7月29日-8月4日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人数上位都道府県、人)(2019年7月29日-8月4日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人数上位都道府県、人)(2019年7月29日-8月4日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、2019年は4月19日から開始している。今件情報はパソコン向けだけで無くスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が行われなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお持っておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

すでに8月に入り、夏本番の天候を実感できる時期となった。日中の最高気温が30度を超え真夏日を観測する日々が続いている。熱中症に関する正しい知識やノウハウを再度確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。


■関連記事:
【熱中症による救急搬送者の内情をグラフ化してみる】
【熱中症についてまとめてみる】
【熱中症経験者は1割足らず、予防対策は「水分補給」に冷房、帽子や日傘使用】
【車内火傷0.95%、車内熱中症・脱水症状0.63%という実態】
【高齢者の熱中症と「暑さを感じにくい」と室内での発症・救急搬送者の経年調査データと】
【30年前と比べて平均気温は上がっていないように見えるので今の「暑い」は単に我慢が足りないだけ...って本当なのか?!】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2019 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー