レンタルビデオソフトの利用状況(最新)

2021/05/30 05:00

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2021-0513BDやDVDのような物理メディアで映像ソフトを楽しむ場合、そのソフトを購入する以外に専門店で一定期間借り入れ、映像を観賞するという選択肢がある。手元にソフトは残らないが、映画館での映画観賞の感覚で観ようとするものである。昨今では同様の考えに基づいたインターネット経由による配信サービスが普及しつつあり、物理メディアを借り入れるビデオソフトのレンタル業は厳しさを増しているとの話もある。利用者観点での実情を、日本映像ソフト協会が2021年5月11日付で発表した、日本の映像ソフト協会そのものやソフト関連の実地調査結果を絡めた白書【映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査】の最新版「概要」から確認していくことにする。

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今調査は2021年1月にインターネット経由で実施されたもので、調査対象は16-69歳。一般調査は1740人、有料動画配信の内情調査は1407人を対象としている。いずれも男女・年齢・インターネットの利用状況に関するウェイトバックがかけられており、調査対象母集団の属性に関する偏りは最小限に抑えられている。

次に示すのはビデオソフトのレンタル利用率。調査時点における過去1年間、直近の2021年ならば2020年1-12月における利用実情を尋ねている。グラフの年数は調査該当年の結果を示したもの。

↑ ビデオソフトのレンタル利用率
↑ ビデオソフトのレンタル利用率

調査期間内では2014年の37.1%をピークに、レンタル利用率は漸減。直近では20.3%の人が該当する1年間にビデオソフトのレンタルを利用した経験があるとしている。残りの79.7%は会員登録はしているが借りていなかったのか、元々会員登録すらしていないのかまでは分からない。

それでは利用者はどのような利用傾向なのだろうか。利用金額と利用本数を尋ねた結果が次のグラフ。無論双方とも1年あたりの値である。

↑ ビデオソフトのレンタル利用者の平均利用傾向
↑ ビデオソフトのレンタル利用者の平均利用傾向

今値は調査対象母集団全体ではなく利用者に限定した上での平均値であることから、利用者においても利用金額が減り、利用本数がおおよそ漸減していることが分かる。ビデオソフトのレンタル料相場が低下しているだけならば利用金額は減っても利用本数は減らないが、利用本数も減っていることから、ビデオソフトのレンタル利用者においても、利用傾向が大人しくなっている、利用度合いがライトなものとなりつつある実情が分かる。

もっともここ数年では利用金額も利用枚数もほぼ変わらない値で推移している。利用者に限れば、利用性向に大きな変化は生じていないようだ。あるいは下限の状態にあるのかもしれない。さらに直近の2020年においては、利用枚数に大きな変化はないものの、利用金額が跳ね上がるような形で増加している。この現象について報告書では解説はないが、新型コロナウイルス流行による巣ごもり化で、新作など単価が高いソフトへの需要が高まった可能性はある。あるいはレンタルショップ側の値上げが影響しているのかもしれない。

無論この傾向がインターネットで提供される動画サービスに影響を受けているか否かまでは、この結果からだけでは分からない。しかしながら次の調査項目(今件項目は今回発表分では非公開扱いとなっているため、最期に公開された2018年分のものを用いて分析する)「今利用しているレンタルビデオ店が廃業したらどうするか」の回答動向を見ると、主要因ではないものの、少なからぬ影響は与えているであろうことは想像に難くない。

↑ 今利用しているレンタルビデオ店が廃業したらどうするか(現在レンタルビデオ利用者限定、択一回答)(2018年)
↑ 今利用しているレンタルビデオ店が廃業したらどうするか(現在レンタルビデオ利用者限定、択一回答)(2018年)

そもそも廃業する想定など無い、廃業したらその時に考えるなどの理由から「分からない・不明」との回答に至ってしまう人が多数いるのは仕方がない。自分が普段から当たり前のように利用しているサービスが使えなくなる事態など、普通は想定しないからだ。

他方、もし廃業しても違う店を探して利用する、つまりビデオソフトのレンタルは利用し続けるとの人は22.8%にとどまっている。観賞ルートを切り替える人においても、ルートは多様。そのうち有料動画配信に切り替えるとの人は11.9%。大体1割強の人にとってはビデオソフトのレンタル利用の代替手段として、有料動画配信が第一候補に挙がっていると考えてよいだろう。

とはいえ、回答者の身近な場所にレンタルビデオ店が無ければ店舗でのレンタル利用は不可能となる。宅配レンタルならば物理店舗が無くても利用はできるが、手間を考えると利用はしたくないという人もいる。利便性の上で優れている点が多いインターネットで提供される動画サービスの影響は、もう少し大きなものなのかもしれない。


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