アメリカ合衆国は他国の情勢への関与を減らすべきか積極的に関与すべきか

2019/05/25 05:24

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2019-0509アメリカ合衆国は巨大な軍事力を持つ存在であり、世界中と取引をしていることから、世界の警察的なポジションを持ち、また国家戦略としてもそれに違わぬ外交や軍事行動を実施している。世界情勢の安定化を図ることで、自国の利益にもかなうとの考え方によるものだ。一方で同国内にはこのような他国の情勢への関与をひかえ、自国へのリソース投入を増やすべきとの意見も見受けられる。今回は同国の民間調査会社Pew Research Centerが2019年4月2日に発表した、アメリカ合衆国における他国情勢への関与の是非やNATO(北大西洋条約機構、North Atlantic Treaty Organization)へ加盟していることの意義に関する調査報告書【Large Majorities in Both Parties Say NATO Is Good for the U.S.】を基に、その実情を確認していくことにする。

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今調査の調査要綱は先行記事【アメリカ合衆国の人達が考えるNATOの加盟意義】を参照のこと。

次に示すのは調査対象母集団において、アメリカ合衆国が他国の情勢に関与する姿勢をどうすべきかとの認識に、「関与度合いを弱めるべき」「自国のためにも積極的に関与すべし」の二択で選んでもらったもの。足しても100%にならないのは無回答などの事例があるから(以下同)。

↑ アメリカ合衆国は他国の情勢に関与すべきか(アメリカ合衆国)
↑ アメリカ合衆国は他国の情勢に関与すべきか(アメリカ合衆国)

2017年6月に両回答が均衡する形となっているが、おおよそ「関与度合いを弱めるべき」の回答率の方が高くなっている。国内へのリソース投入を増やせと素直に解釈すべきか、孤立主義的考え方と見るべきか。もっとも調査期間の限りでは2014年1月の60%を頂点に、その後はやや低めで推移している。

「自国のためにも積極的に関与すべし」との意見は政党別で見ると、民主党支持者の方が多い。

↑ アメリカ合衆国は自国のためにも他国の情勢に積極的に関与すべし(アメリカ合衆国、支持政党別)(2019年3月)
↑ アメリカ合衆国は自国のためにも他国の情勢に積極的に関与すべし(アメリカ合衆国、支持政党別)(2019年3月)

元々共和党支持者の方が値は高かったが、2014年1月で民主党支持者の方が高くなり、2017年6月で民主党支持者と共和党支持者との間で大きな差が開く形となっている。共和党支持者の回答率は2011年2月の36%以降さほど変化は見られないことに加え、元々共和党は保守的・民主党は革新的な傾向が強いことから、現トランプ大統領への施策への不満が今件設問の回答にも表れたのかもしれない。

直近分の結果を各属性別に見ると次の通りとなる。

↑ アメリカ合衆国は他国の情勢に関与すべきか(アメリカ合衆国、属性別)(2019年3月)
↑ アメリカ合衆国は他国の情勢に関与すべきか(アメリカ合衆国、属性別)(2019年3月)

人種別の部分は解釈が難しいところがあるが(他属性に引っ張られている可能性がある)、学歴別に見るときれいな形で高学歴ほど「自国のためにも積極的に関与すべし」の値が増えていく。白人限定の学歴でも同じような結果が出ているため、人種によって学歴別の傾向が引っ張られているということは考えにくい。

要は、高学歴ほどアメリカ合衆国の多国への積極関与が自国の利益にもつながるということが理解できるからこその回答傾向なのかもしれない。あるいは低学歴ほど、他国に関与する余裕があるのなら、その分を自国に回せという認識を持っているのだろうか。


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