2018年12月度外食産業売上プラス2.1%…28か月連続して前年比プラスを計上

2019/01/25 15:00

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日本フードサービス協会は2019年1月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2018年12月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売上は前年同月比でプラス2.1%を計上した。該当月は日取りの上では有利だったことに加え、各種キャンペーンや季節商品が好調でファストフードが大きく伸び、売上はプラスとなった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が197、店舗数は3万6637店舗。今回月は前回月と比較すると事業社数は減少、店舗数は増加している。

全業態すべてを合わせた2018年12月度売上状況は、前年同月比で102.1%となり、2.1%の増加を記録した。これは前回月から継続する形で28か月連続の増加。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日は変わらずだが土曜日は1日多いことから、売上にはプラスの影響。一方気象環境では東京で2日・大阪では5日雨天は多かったものの、平均気温は東京と大阪ともに高めとなり、客足の点では影響の勘案は難しい状況。

結果として客数は全体では前年同月比でプラス1.2%を計上している。一方で客単価はプラス0.9%を計上しており、結果として売上はプラスを示す形となった。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前回月から続く形で35か月連続のプラス(プラス3.7%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風だが、そのメイン企業となるマクドナルドは、2014年夏からの相次ぐトラブルをきっかけとした多様な問題点の露呈による低迷から復活の動きを見せている。今回月では「季節商品やクリスマスのチキン販売の好調」とあり、「チキンマックナゲット クリスマスキャンペーン」やグラコロバーガーシリーズが好評を博したようだ。その洋風は客単価がプラス0.3%、客数はプラス5.2%となり、売上高は5.5%のプラス。なおマクドナルド単体の2018年12月における営業成績はプラス8.8%(売上、既存店、前年同月比)とプラスを示している。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス2.6%、客単価はプラス0.1%と成し、売上はプラス2.7%。「定食メニューの好調」とリリースにはあり、鍋系列の定食や「牛皿ファミリーパック」などが好調だったようだ。

ファミリーレストラン部門は客数ではマイナス0.2%、客単価はプラス0.5%、売上はプラス0.3%とぎりぎりだがプラスを計上。洋風では「高付加価値メニューへの支持が一定程度続いているものの、一部では携帯アプリのクーポンによる値引きもあり客単価が低下、客数の減少もあって」とコメントにあり、客数が減少している実情がうかがえる。「和風」は「暖冬傾向で鍋など季節商品が振るわない」と説明されており、他の業種では影響をあまり及ぼさなかった暖冬が大きく足を引っ張った様子がうかがえる。他方「焼き肉」は「年末需要などが堅調」とコメントされており、他業種と比べて勢いが強い実情がうかがえる。

パブ/居酒屋部門では、居酒屋の売上はマイナス1.0%。「近年の宴会の少人数化などもあり、忘年会需要が思ったほど伸びず、また金曜日が1日少ない曜日まわりで」と説明されており、昨今の居酒屋事情が包括された感を覚えさせる結果となっている。他方パブ・ビアホールでは「宴会需要は弱かったものの、営業時間の繰上げやハッピーアワーの強化」で売上をプラス化し、苦境の中でも創意工夫で成績をキープしている実情が確認できる。部門全体では売上はマイナス0.6%を示した。

ディナーレストラン(高級レストランに代表されるリッチスタイルな専門飲食店)は客数は2.0%のプラス、客単価はプラス1.0%で売上はプラス3.0%を示した。

今回月で22回目となるプレミアムフライデーの影響だが、解説コメントでは一切そのフレーズは確認できなかった。今回月は年末に該当するため、それどころでは無かったのだろう。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2018年12月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2018年12月分)

日取りは有利で
季節商品やキャンペーンで
ファストフードが頑張る。
他方ファミレスが
やや不調か。
2014年4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響も直接的にはあまり生じなかった外食産業だが(今件各種計上値は税抜比較で行っているため、消費税率引き上げに伴う「税込の」売上上昇は、公開される業績動向には直接は影響を与えない)、2014年夏における天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題と2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は2014年夏以降は低迷感をぬぐえない状態が続いていた。特に後者は食材問題自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈する形となった。大きな社会問題化した異物混入事件まで加わり、2014年夏以降大きなシェアを有するマクドナルドに相次いでいる状況に、ファストフード部門、さらには外食産業全体が多分に振り回されている感はあった。

2015年7月からは軟調化開始から1年が経過することもあり、該当事業の「前年同月比における」マイナス幅は縮小。そして昨今ではヒット作も相次ぎ、数字の上でも明らかに復調している。現在はかつて自他ともに認められていた「洋風、そしてファストフード全体のけん引役」の立場に戻り、月次で毎月のように売上高の前年同月比1割前後のアップを計上している。今後どこまで良好な数字を見せ、さらには外食全体の機関車的役割を果たすのかが楽しみではある。

ファストフード内の和風のメインとなる牛丼チェーン店だが、吉野家を中心にこれまでの廉価店の店舗イメージから少しずつ、そして確実に、ワンステップ上の価格帯における商品展開を行う業務スタイルにシフトしている。客数の減退と客単価の上昇が連動して起きる状況が継続し、中期的戦略転換が数字となって表れている。

ファミレスは2016年以降は、雰囲気的にそれまでのような好調さとは異なる様相が見えつつある。中食に多分に客を奪われている感はあるが、もう少し状況を眺めたいところ。客数の伸び悩みが顕著ではある(キャンペーンが当たれば大きな飛躍が生じるが)。しかし焼き肉だけは例外で、客数が伸び続けており、ファミレス部門におけるトレンドが変化しているのだろう。チェーンストアでも肉部門は堅調なことから、食生活の変化の波に乗っているようだ。

吉呑み現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。もっとも居酒屋の業態そのものが時代に取り残されたわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が運用している「吉呑み」が堅調さを示し、適用店舗数を続々と増やしている。最近ではスマートフォンのアプリと連動する形でのボトルキープなる手法も導入し、さらに注力度を高めている。

牛丼業界の動きやディナーレストランの動向を併せ見ると、外食産業でも消費の二極化が進んでおり、中庸的なポジションの市場が縮小している感は否めない。また消費者の中食志向の拡大や高齢化により、客の一部が奪われている・遠のいている雰囲気も見受けられる(特に持ち帰りができないファミリーレストラン)。吉野家やマクドナルドが夕食メニューに力を入れているのも、高齢化に併せた動きの可能性も否定できない。さらにこれらの動きは総じて、客単価の引き上げという戦略目標にもつながっているとの解釈もできる。客単価の引き上げはファミリーレストランにも生じており、こちらも結果としては売上維持、さらには売上増につながる成果を示している。

これらは外食産業全体の動向を精査する上で、店舗数動向もあわせ、今後も注視すべき重要ポイントに違いない。


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