高齢者の「日頃から何かと頼りにしている相手」の実情をグラフ化してみる(最新)

2019/02/07 05:05

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2019-0128年を取ると定年退職を迎え職場に足を運ぶ機会が無くなる人も増え、日常の生活リズムも行動スタイルも大きな変化を生じることになる。職の話は別にしても、心身の衰えで行動範囲も狭まり、行動への意欲も失われていく。そのような高齢者にとって、日頃から頼りにしている人にはどのような相手がいるのだろうか。厚生労働省が2018年11月28日に発表した中高年縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の第13回分の結果から確認していく(【第13回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況】)。

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今調査は団塊の世代を含む全国の中高年者世代の男女に対する追跡調査で、2005年以降毎年1回、同一人物を対象に各種質問が行われている。今回の調査となる第13回は2017年11月1日に郵送調査票の送付と郵送返送方式で実施されたもので、第11回・第12回調査で協力を得られた人2万2253人を対象としている(回答数は2万1168人)。第1回から第13回調査まで連続して回答している人は1万8819人。対象者年齢は第13回調査時点で62-71歳。

次に示すのは調査対象母集団の該当年齢となる62-71歳の人達が、日頃から何かと頼りにしている相手を複数回答で答えてもらったもの。なお具体的相手はともかく頼る相手がいる人の割合は、男性で89.1%・女性で94.9%。「頼る人がいない」と合わせても100%にならないのは、相手のいる・いないの質問に答えていない、分からない人がいるため。

また、今件は「日頃から何かと頼りにしている相手」であり、当てはまらなくても各選択肢の人が「あまりやり取りする機会は無いが頼れる相手」「頼りになるとは言い難いが信頼はおける相手」などで該当する場合は当然ある。該当しないと回答していても選択肢の知り合いがいないわけでは無い。

↑ 日頃から何かと頼りにしている相手(62-71歳、複数回答、男女別)(2017年)
↑ 日頃から何かと頼りにしている相手(62-71歳、複数回答、男女別)(2017年)

男女とももっとも多いのは「家族(同居)」。配偶者の場合が最多事例なのだろうが、他にも子や孫がいる可能性もある。続いて「家族(別居)・親族」だが、女性は53.4%と過半数の人がいるものの、男性は1/3強しかいない。さらに続く「友人」でも男性は31.4%でしかないが女性は44.8%。就業期間は男性の方が長いはずだが、年を取ってからの「頼りになる相手」は女性の方が多く、男女間の対人関係の実情の違いが見えてくる。もっとも人数は今件では問われていないので、「友人」は大勢いるかもしれないが。

「勤め先の同僚・元同僚」は相手がいる割合は男性の方が多いが、これは就業期間が長いので当然の話。見方を変えれば、大きな就業期間の差があるだろう男女間でも、差異が2.5%しかないのを見るに、男性は女性と比べると年をとってからの「日頃から頼りにしている相手」を作りにくい性質があるのかもしれない。

もっとも職場では多分に距離が離れた同士でのやり取りとなり、退職してからも含め、プライベートでの付き合いは難しい。女性は専業主婦の場合もパートやアルバイトなどで働くとしても、自宅近辺での就業となるので、付き合いもしやすい。当然、職場以外での他人との接触や交流も女性の方が機会を得られやすい。単純に男女別という性の違いよりも、それぞれに置かれた環境の違いが、年をとってからの身近な頼れる相手が作れるか否かの差をつけるのだろう。

無論高齢層では健康面を中心に、何かトラブルが生じた時に自分では解決できない、助けが必要となる場合が多分に考えられる。その時に「日頃から何かと頼りにしている相手」が身近にいないと、状況の悪化を招きかねない。また、自分自身の能力では難しいことも無理に行おうとして、事故を引き起こしてしまう可能性もある。

打算的ではあるが、「日頃から何かと頼りにしている相手」を作ることは安全にもつながる。親族や近所との付き合いについて、必要な人は自分の対応を改めて見る必要があるかもしれない。


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