60代がお金をもらえる仕事をする主な理由とは(最新)

2019/02/07 05:05

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2019-0128定年退職を迎え長年の仕事の稼ぎが得られなくなると、公的年金やこれまでの蓄財では生活の維持が難しくなるなどの理由から、再び仕事に就く人は少なくない。高齢者の就業のうち、収入のある仕事をするのはなぜだろうか。本当にお金が足りないからだけだろうか。その実情を、厚生労働省が2018年3月23日に発表した、中高年縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)特別報告の結果から確認していく(【中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)特別報告の概況】)。

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今調査の調査要綱は先行記事の【定年退職が始まる60代における公的年金の給付額と就業率の関係をグラフ化してみる(最新)】を参照のこと。

次に示すのは60代(というより第11回調査では回答者の年齢は60-69歳となっている)の収入のある就業をする人に限定した、なぜその仕事をしているかについて主な理由を一つ上げてもらい、回答の一部を公的年金の給付額別に区分したもの。公的年金を受給していない人は、まだ定年退職を迎えていない、意図的に年金の受給開始を遅らせているケースが考えられる。

なお公的年金の受給額が高額の属性では、該当回答者数が少数のため、統計上のぶれが生じている可能性がある。またそのため、女性のグラフの45万-50万円未満の属性では一部回答をゼロ扱いにしている(公開データでは100%の回答が生じ、その他の選択肢がすべてゼロになっている。数人か1人しか回答者がいなかったものと推測される)。

まずは男性。

↑ 収入のある仕事をする主な理由(60-69歳、収入のある就業者限定、男性、一部、公的年金給付額(2か月分)別)(2015年)
↑ 収入のある仕事をする主な理由(60-69歳、収入のある就業者限定、男性、一部、公的年金給付額(2か月分)別)(2015年)

もっとも回答率の高い理由は「生活費のため」。「生活費のため」は生活費の主な支えを意味し、補完的な役割「生活費補てん」よりもウェイトが高い。それだけ仕事をしなければ生活が苦しいことを意味している。これは公的年金を受給していない人や受給者でもおおよそ変わらない。ただし50万円以上の受給者に限れば、「生活費の補てん」と「社会とのつながり」の方が高い。

公的年金の給付額が高くなるに連れて「生活費のため」は減り、「生活費補てん」は増えていく。「生活水準向上」はあまり変化は無いが、「自分の小遣い」「健康維持」「社会とのつながり」も数字を積み増していく。公的年金の給付額が低ければまずは生活の維持のために仕事をしなければとの思惑が強いが、給付額が高くなるとそれ以外の目的で働く人が増えてくる次第ではある。

女性の場合、男性と比べて生活を主に支える「生活費のため」の割合が小さなものとなっている。夫婦世帯ならば男性が働き頭となっているからだろう。今件は収入のある就業者限定であることから、働いていない女性も多分におり、働いている女性でも目的は男性と異なる実情がうかがえる。

↑ 収入のある仕事をする主な理由(60-69歳、収入のある就業者限定、女性、一部、公的年金給付額(2か月分)別)(2015年)
↑ 収入のある仕事をする主な理由(60-69歳、収入のある就業者限定、女性、一部、公的年金給付額(2か月分)別)(2015年)

「生活費のため」が公的年金の給付額とともに減少していくのは男性と変わらないが、値そのものは男性と比べて半分程度。一方で「生活費補てん」は男性とさほど変わりは無い。ただし公的年金を受給していない、受給しても低額の場合も、比較的高い割合で回答者がいるのが目に留まる。

「自分の小遣い」「健康維持」「社会とのつながり」が公的年金の給付額の額面とともに大きくなっていくのも男性と同じ。回答率に大きな違いは無い。

男女間で生活費に対するポジションに違いはあるものの、60代の就業は生活費を支えるために行われているのがメインであること、公的年金の給付額が大きなものとなるとそれ以外を目的として働く人も増えてくる実情が確認できる次第ではある。


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