「公的年金は現役で働いている世代が年金を受け取っている高齢者を扶養する制度である」知っている人は67.1%(最新)

2019/02/06 05:19

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2019-0126日本の公的年金制度は原則として現役で働いている世代が年金保険料を支払い年金受給資格を得る一方、その保険料を基に年金を受け取る資格を持つ高齢者を扶養する制度である。年金保険料は自分が将来受け取るために積み立てられてるものではなく、年金を受け取る資格を得るための資格取得料料金のようなもの。今回は内閣府が2019年1月18日に発表した老後の生活設計と公的年金に関する世論調査の結果から、このような公的年金の基本的な仕組みがどこまで認知されているか、その実情を確認していく(【発表リリース:老後の生活設計と公的年金に関する世論調査】)。

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今調査の調査要綱は先行記事の【何歳までお金をもらえる仕事をしたいか、平均年齢は62.9歳(最新)】を参照のこと。

次に示すのは公的年金の制度に関する基本的な仕組みや役割について、その実情を知っているか否かを尋ねたもの。

↑ 公的年金制度の仕組みや役割についての認識(複数回答)(2018年)
↑ 公的年金制度の仕組みや役割についての認識(複数回答)(2018年)

学生も含めて20歳以上は皆が皆、公的年金に加入する、当然年金保険料を支払う必要があるということを知っている人は77.6%。何らかの事情で払えない場合も、関係官公庁に問い合わせることで(ペナルティはあるが)減免措置を受けられるので、義務であることとともに知っておきたい話には違いない。

次いで支払った保険料や期間に応じて年金が受け取れる実情を知っている人は74.6%。支払期間は20‐60歳の40年間で満額の年金を受け取れるようになるが、それより短いと受取額も少なくなる(40年に満たない場合は60-65歳に限り任意で年金保険料を支払い続けることができる。また一部期間なら滞納分を後納として支払うことで期間が加算される)。また、支払期間と免除期間の合計が10年に達していないと受取資格そのものが原則として無くなる。

次に年金は原則として65歳から受け取り始めるが、本人の希望により60歳から70歳の間で受け取り始める時期を選択できるという実情を知っているのは70.8%。公的年金制度は概念として、そして今件設問の選択肢にもあるが、本人の受け取り開始期間から亡くなるまで年金を受け取れる仕組み。受け取り開始期間を早めるほど月あたりの給付額は減り、遅くするほど給付額は増える。概算的に一人あたりの一生涯受け取れる年金の総額が平均的に同じとなるように計算されている。ただし本人がいつ亡くなるかは分からないため、多分に運試しのところもあり、それゆえに老後の生活設計は必要不可欠になるのだが。

公的年金制度は現役で働いている世代が年金を受け取っている高齢者を扶養する制度だということを知っている人は67.1%。冒頭でも触れたが、公的年金制度は自分の年金保険料を積み立てて、支払期間以降に払い戻しされる仕組みだと思っている人は少なくない。あくまでも年金保険料は将来の年金受け取り資格を得るための料金に過ぎない。

公的年金制度に加入することで、障害がある人や世帯の生計を支えている人を亡くした人も、保障を受けられる事実を知っている人は50.3%とほぼ半分しかいない。詳しくは【20-30代は満足派1割のみ…年金制度への不満感、若年層ほど大きい傾向】で説明しているが、年を取ってから給付される年金は老齢年金と呼んでおり、この他に「重度の障害を負ったとき」(障害年金)や、「一家の稼ぎ頭が亡くなったとき」(遺族年金)にも所定の給付を受けることができる。つまり公的年金制度は部分的に医療保険の役割も果たしていることになる。

ちなみに男女別・年齢階層別で若年層の18-29歳と、年金給付を受け始めている人がいるであろう60代、そして年齢の観点では全員が年金給付を受けている対象となっている70歳以上の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 公的年金制度の仕組みや役割についての認識(複数回答、男女別・年齢階層別(一部))(2018年)
↑ 公的年金制度の仕組みや役割についての認識(複数回答、男女別・年齢階層別(一部))(2018年)

男女とも18-29歳は知っている人の割合は低く、受け取り開始時期となる60代は高い値を示すが、70歳以降は再び低い値となる。もっとも、受け取りに直接関係する話は70歳以上でも高い認識率を維持している。

ちなみに「現役で働いている世代が年金を受け取っている高齢者を扶養する制度」に関しては、18-29歳では女性の方が、60代と70歳以降では男性の方が高い。もっともどの属性でも7割を超えることは無く、見方を変えれば3割台から4割台の人は「年金保険料を積み立てて、自分が年を取ってから払い戻しされる」と考えている可能性がある。年金にかかわる話で色々と誤解が生じる機会があるが、その多分はこの事実と「障害がある人や世帯の生計を支えている人を亡くした人も保障を受けられる」について、知らないがためのもの。もう少し認識率を高める方策を求めたいものだ。


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