経済状態、現状への満足感、子供が成長する頃の経済状態…3つの視点から日本の実情認識

2018/12/14 05:12

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018-1206日常生活に満足しているか否か、自国の経済状態がよいか否かは、犯罪実情やGDP動向のように明確な数字から確認するのが基本だが、個人の心境を調査して統計としてまとめ、その動向から推し量ることもできる。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerの調査【Despite Rising Economic Confidence, Japanese See Best Days Behind Them and Say Children Face a Bleak Future】を基に、今世紀の日本の実情を3つの視点から確認していくことにする。


スポンサードリンク


今調査は2018年5月24日から6月19日にかけて、RDD(固定電話40%、携帯電話60%)で選択された18歳以上の日本在住の人に対し、通話によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は1016人。国勢調査の結果を基にウェイトバックが実施されている。なお過去の調査も同様の条件で実施されている。

次に示すのは各調査年において「自国の経済状態は良好か否か」「総合的に自国の現状に満足しているか否か」「子供が成長する頃は今の親より経済状態はよくなっているか否か」の問いを行い、肯定的な意見を返した人の割合。年によっては調査自体が行われていない、特定の問いのみ提示された年があることに注意。

↑ 同意できる人の割合
↑ 同意できる人の割合

回答では物価動向や平均賃金、GDPといった具体的指標よりもむしろ回答者自身の実情や心境が数字に影響されやすいため、日々の報道のされ方が多分に数字に反映されることになる。しかしながら「自国の経済状態は良好」の回答率はITバブル崩壊による影響を受けた2002年の値がもっとも低く、その後景況感の回復で2007年は大きく復活、それ以降は金融不況、リーマンショックと円高不況、さらには東日本大震災の影響などで底冷えし、2013年以降は政変の結果を受けて大きく回復していく状況がよく分かる動きとなっている。

他方、「自国の現状に満足している」との同意回答率は意外にも金融不況の間もあまり変化がない。そして2012年の政変以降は「自国の経済状態は良好」同様に大きく値は跳ねる形となっている。

しかしながら一方で、回答時の子供が大人になる時には、その親よりも経済状態はよくなっていると思う人は少数派でしかない(国全体では無く、子供個人のお財布事情を示していることに注意)。この動向について報告書では「昔も今も日本は悲観主義である」と説明している。

属性別動向についてはいくつかの事例のみが説明されている。それによると直近年分では「現状に満足しているのは男性で49%だが女性は40%」「経済状態が良好と考えているのは男性で52%だが女性は35%」「経済状態が良好と考えているのは与党支持者は62%だが野党支持者では34%」とのことである。


■関連記事:
【今選挙棄権率、若者はシニアの3倍近く・安倍内閣「不」支持者は高い傾向】
【おおむね好意的な安倍総理への政策評価】
【政治や選挙に対する子供達の関心度合い】


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS