月ぎめで新聞を取る理由は何だろう(最新)

2018/12/06 04:53

2018-1126新聞を購読する手段は多様におよぶが、もっとも定番で多くの人が利用しているのが月ぎめでの定期購読。原則毎日家庭に新聞を届ける契約を月単位で締結し、購読側はわざわざ店舗まで買いに行かなくとも確実に新聞を入手でき、新聞社側は安定した購読層を得ることができる(保険契約のようなもの)。それでは具体的にどのような思惑で、月ぎめで新聞を取っているのだろうか。財団法人新聞通信調査会が2018年11月21日に発表したメディアに関する全国世論調査から、新聞を月ぎめで取っている人における、その理由について確認していく(【発表リリース:第11回メディアに関する世論調査結果】)。

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今調査の調査要綱は先行記事【じわりと下がるメディアへの信頼度、ようやく下げ止まりか(最新)】を参照のこと。また今調査対象母集団において頻度は問わず、朝刊・夕刊まで含めた新聞を月ぎめで取っている人は69.4%となる。無回答者を除くと30.0%が月ぎめで新聞を取っていない(新聞を読んでいない、ではないので、例えば駅の売店で時々購読したり、図書館などで読んでいる場合はある)。

それでは月ぎめで新聞を取っている人は、具体的にどのような理由で取っているのか。複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ(今件の「月ぎめで新聞を取る」は原則紙媒体の新聞の購読契約を意味する)。最多回答率を示した選択肢は「新聞を読むのが習慣」で、48.3%とほぼ半数の人が同意を示していた。

↑ 月ぎめで新聞を取る理由(取る人限定、複数回答)(2018年度)
↑ 月ぎめで新聞を取る理由(取る人限定、複数回答)(2018年度)

「新聞を読むのが習慣」だから、毎日新聞を確実に届けてくれる月ぎめは最適なサービスに違いないというものだ。

次いで「新聞でのみ得られる情報がある」が39.7%だが、これは別に月ぎめで無くても新聞を購入することは可能ではあるから、月ぎめの強い理由にはならない。「世間の動きが大体分かる」「情報が役に立つ」も月ぎめの必然性は無く、新聞が日々自分の手元に確実に届く仕組みとして月ぎめがあるから利用していることになる。むしろ34.6%の同意者を得ている「毎日自宅に届けてくれる」こそが、月ぎめだからこその理由といえるかもしれない。

他の選択肢もその多くは、月きめで新聞を取る理由には成り難い。自分で足を運べる、容易に購入できる機会があれば、電子版で問題無いとの判断ができれば、月ぎめで新聞を取る理由としては弱いものとなる。見方を変えればそれらの選択肢の理由で月ぎめで新聞を取っている人は、他に手段が無い、選びたくないとの判断をしていたり、環境下に置かれているのだろう。

上位陣について属性別で確認したのが次のグラフ。

↑ 月ぎめで新聞を取る理由(取る人限定、複数回答、属性別)(2018年度)
↑ 月ぎめで新聞を取る理由(取る人限定、複数回答、属性別)(2018年度)

男女の差異はほとんど無いが、女性より男性の方が「世間の動きが大体分かる」の値が高めなのが目に留まる。必要性がどれだけあるかの問題だろう。

18-19歳では新聞を読む習慣そのものが薄いことから、それ以上に「新聞でのみ得られる情報がある」が高い値を示している。また「世間の動きが大体分かる」も同率。20代以降はおおよそ「新聞を読むのが習慣」が最大の値を示している(30代のみ「新聞でのみ得られる情報がある」の方が上だが、就業関連で新聞を取っている人が多いからだろうか)。

大体ではあるが年が上になるほど「新聞を読むのが習慣」の値が他を引き離す形で大きくなり、また「毎日自宅に届けてくれる」の値も上昇していく。高齢層が新聞にかける期待の中身、それゆえに月ぎめで新聞を取っている理由が透けて見えてくる。



選択肢に挙げられた項目、そして多数の回答率を得た選択肢からは、新聞の内容を信用し、自分の生活に役立てたり社会全体を見渡す羅針盤的な存在として重要視し、だからこそ確実に手に入る月ぎめで新聞を取る購読者側の思いと、そのような信奉者を月ぎめという仕組みで安定した購読者としてつなぎとめておきたい新聞社側の思いが見える。

しかしながら両者の思惑がかなうためには、提供される新聞の情報が購読者の願いにかなうもので無ければならない。歪んでいたり間違った値を示したり、偏向する方向を示す羅針盤では「それのみで得られる情報がある」「世間の動きが大体分かる」「情報が自分に役に立つ」などの期待には応えられない。さらにそのような状況ならば習慣ですら薄れてしまうだろう。

現状の新聞各社、そして新聞業界全体の動きはどうだろうか。羅針盤としての機能を果たしているだろうか。


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