高齢者の歯の数と「何でもかんで食べることができる人」の関係をグラフ化してみる(最新)

2021/01/18 05:36

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2021-0107年を取ると歯や歯茎が弱くなり、抜け落ちるなどの理由で歯の本数が減っていく。また、身体そのものの衰えでかむ力が弱くなる。当然食生活にも少なからぬ影響が生じるわけだが、高齢者の歯はどのような実情なのだろうか。厚生労働省が2020年12月に発表した「令和元年国民健康・栄養調査結果」の報告書から、高齢者における歯の本数の実情と食事や健康状態との関係について確認していくことにする(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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今調査の調査要件は先行記事【一日の平均歩数は男性6793歩・女性5832歩(最新)】を参照のこと。

最初に示すのは、回答者における歯の本数(親知らず、入れ歯、ブリッジ、インプラントは含まない。さし歯は含む。なお厚生労働省と日本歯科医師会が推奨している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動「8020運動」では、残存歯数が約20本あれば食品の咀嚼が容易であるとされている)と、「何でもかんで食べることができる」人、つまり咀嚼良好者との関係をグラフにしたもの。

↑ 「何でもかんで食べることができる」人と歯の保有状況(男女計・年齢階層別)(2019年)
↑ 「何でもかんで食べることができる」人と歯の保有状況(男女計・年齢階層別)(2019年)

20本以上歯を持つ人の割合は40代までは95%を超えているが、50代では9割近くにまで減り、60代で7割近く、70歳以上では5割足らずに減ってしまう。残りの5割強は20本を割り込み、咀嚼良好者には成り難い状態となる。実際、割合そのものは違いがあるが、年とともに20本以上の歯を持つ人の割合と、咀嚼良好者の割合は似たような減少カーブを描いて減っていく。

「何でもかんで食べること」ができない人、具体的には回答者自身がかんで食べる時の状態について「一部かめない食べ物がある」「かめない食べ物が多い」「かんで食べることはできない」と答えた人においては、 「何でもかんで食べること」ができる人と比べて、低栄養傾向(国民健康・栄養調査では「やせの者」と表現される)の人が多い実情が確認されている(今件項目は今回調査では調査対象となっておらず、2017年調査分が最新の値となっている)。

↑ 低栄養傾向の人(BMI≦20kg/)の割合(65歳以上、男性、年齢階層別)(2017年)
↑ 低栄養傾向の人(BMI≦20kg/)の割合(65歳以上、男性、年齢階層別)(2017年)

↑ 低栄養傾向の人(BMI≦20kg/)の割合(65歳以上、女性、年齢階層別)(2017年)
↑ 低栄養傾向の人(BMI≦20kg/)の割合(65歳以上、女性、年齢階層別)(2017年)

よくかんで食事ができないから低栄養傾向となるのか、低栄養傾向だからよくかんで食事ができなくなるような状態になってしまっているのか、因果・相関関係までは今項目だけでは明らかにできないが、よくかんで食事ができない高齢者は、何でもかんで食べることができる高齢者よりも、低栄養傾向の人が多い実情が確認できる。さらに女性と比べて男性の方が、何でもかんで食べることができる人・できない人の差異が大きく、歯が失われることで生じ得る「食事をかんで食べるのに難儀している状態」が、栄養状態にもより大きな影響を与える可能性を示唆していると解釈ができる。

自分でかんで食事ができないと食事そのものに難儀を覚える、美味しさを体感し難くなるので食事そのものを敬遠する・十分な量を口にしなくなるなど、食との距離が広がってしまう可能性は多分に考えられる。その結果、低栄養傾向となってしまうという推論は、あながち的外れなものでもないだろう。


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