「タメ」や「ガチ」、年齢ギャップの実情をグラフ化してみる

2018/10/05 05:05

2018-0928何らかの事件やイベントで生じた、有名人がたまたま使った、特定のコミュニティで使われていたものがウケて広まった、多様なきっかけはあるが、新しい表現方法が登場し、受け入れられることは少なくない。言葉は人々の利用の中で日々変化をしていくのが常であるからだ。今回は文化庁が2018年9月25日に発表した平成29年度分の「国語に関する世論調査」の結果を基に、比較的新しい表現と思われる「タメ」「ガチ」について、年齢階層別の利用実情を確認していく(【平成29年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。

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今調査は2018年3月に全国16歳以上の男女に対して個別面接調査方式で行われたもので、有効回答数は2022人。調査対象の抽出方式や属性別構成比は非公開。

次に示すのは「タメ」という言い回しについて、聞いたことが無いか、聞いたことはあるが使うことは無いか、使うことがあるかの三択を提示し、回答者の実情に一番近いものを選択してもらった結果。分からないとの回答もありうるので、当然全部を足しても100%にはならない。設問では例文として「彼とはタメ口で話をする」とある。なお「タメ」の意味は「相手を対等として扱う」というものだが、1960年代に不良と呼ばれる人たちが使っていたのが広がった、語源はサイコロの賭博における「同目(ゾロ目)」が変化したものとの説がある。実際には「タメ口」以外のフレーズではあまり用いられることは無い。

↑ 聞いたこと・使ったことがある言い方か(「タメ」、年齢階層別)(2018年)
↑ 聞いたこと・使ったことがある言い方か(「タメ」、年齢階層別)(2018年)

16-19歳では85.5%もの人が使ったことがあるとしているが、40代あたりから値は落ち、70歳以上では13.2%に留まっている。他方、聞いたことすら無いとの人は16-19歳で7.2%だが30-40代まではむしろそれより低い値となり、50代以降から急上昇していく。

60代までは少なくとも聞いたことがあるものの、年を経るに連れて自分から使うことがある人は減っていく。70歳以上になると聞いたことすらない人が急に増えていく。「タメ」に関しては若年層ほど使うことが多く、それとは別に現在における60代と70歳以降との間で言葉の浸透そのものにギャップが生じている雰囲気がある。

続いて「ガチ」。設問では「ガチで勝負をする」との例文が挙げられている。「ガチ」の意味は「本気で」「真面目に」「真剣に」の意味で、似たような言い回しの「マジ」と比べると「ガチ」の方が本気度が強いようなイメージがある。また語源としては相撲界の隠語「ガチンコ」(真剣勝負)から来たとの説がある。

↑ 聞いたこと・使ったことがある言い方か(「ガチ」、年齢階層別)(2018年)
↑ 聞いたこと・使ったことがある言い方か(「ガチ」、年齢階層別)(2018年)

「タメ」と似たような傾向だが、「ガチ」の方が使う人の割合は低めに留まり、代わりに聞いたことはあるが自分で使うことは無いとする人の割合が多めとなっている。そしてやはり70歳以上になると聞いたことが無いとする人が急に増える現象が生じており、「タメ」同様に60代と70歳以降との間で言葉の浸透そのものにギャップが生じているような結果が出ている。

もっともこのような「若年層の方が使用率は高い」「30-40代で聞いたことが無い人の割合がもっとも低くなる」「70歳以上になると聞いたことすらない人が急増する」傾向は、今調査における同項目の他のフレーズ「ほぼほぼ」「立ち位置」でも生じている。新しい表現、慣用句におけるギャップが、流行に敏感な若年層がよく使うことに加え、現役世代か否かで生じている、他人(特に他世代)とのコミュニケーションの機会の多少によるところが大きいと仮定すれば、説明できそうな気がするが、どうだろうか。


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