単週で1万人近く…熱中症による搬送者数は1週間で9956人(2018年7月9日-7月15日)

2018/07/18 10:00

総務省消防庁は2018年7月18日、同年7月9日から7月15日の一週間における熱中症搬送人数が9956人(速報値)であることを発表した。今年分は4月30日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は2万1166人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では12人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は189人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2018年)

↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年7月9日-7月15日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年7月9日-7月15日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら発せらないこととなった。しかし震災から7年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また気象庁が発表している夏季予報では、4月末時点で全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ていた(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁、ウェブキャッシュ)】)。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 季節予報(夏 6-8月)(4月末時点、気象庁)
↑ 季節予報(夏 6-8月)(4月末時点、気象庁)

そこで消防庁では【熱中症の搬送者数報告は今年も5月から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、4月30日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は9月30日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては第11週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では前週までに西日本を襲った豪雨が「平成30年7月豪雨」と命名される一方、台風8号の接近や大気の不安定さを受けて一部地域では雨模様となったものの、大よその地域では夏真っ盛りの状態が続いた。7月12日付で気象庁から発表された「向こう1か月の天候の見通し」でも沖縄・奄美地方を除く全地域で、高い確率で平年を上回る気温が予想されている。気象に関するニュースでは相次ぎ「体温を超える気温」のフレーズが使われ、身体に実影響を与えるほどの暑さが到来していることを実感できる状況となった。なお7月9日には九州南部・中国・近畿・東海・北陸で、7月10日には四国で、7月11日には九州南部で、7月14日には東北南部で梅雨明けが宣言されている。これで梅雨明けをしていない地域は東北北部のみとなった。

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象やラニーニャ現象だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.310】によれば、「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態」「今後、夏は平常の状態が続く可能性が高く(70%)、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)」とのこと。現状では夏の気候に影響はなさそうだ。

地域別では大阪府の752人をはじめ、東京都の704人、愛知県の687人、兵庫県の576人、埼玉県の575人など、人口の多い地域が上位を占めている。また、前回週の豪雨に見舞われ大きな被害を受けた西日本の各地域でも多数の人数が計上されており、復旧作業の中で熱中症のリスクを体現化した人が少なからずいたことが推測される結果となっている。

↑ 東京都の最高気温と天候(2018年7月9日-7月15日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2018年7月9日-7月15日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2018年7月9日-7月15日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2018年7月9日-7月15日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2018年7月9日-7月15日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2018年7月9日-7月15日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している。今件情報はパソコン向けだけで無くスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)


電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が行われなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお持っておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

すでに7月も半ばを過ぎ、夏真っ盛りな時期。多くの学校も夏休みに突入しているだろう。当然、熱中症のリスクに留意しなければならない。熱中症に関する正しい知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、無理をせず・させず、健康管理に留意してほしいものである。意地や体面よりも命こそが大切なのは言うまでもない。


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