熱中症による搬送者数は1週間で3473人(2018年6月25日-7月1日)

2018/07/03 10:00

総務省消防庁は2018年7月3日、同年6月25日から7月1日の一週間における熱中症搬送人数が3473人(速報値)であることを発表した。今年分は4月30日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は8488人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では3人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は81人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2018年)

↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年6月25日-7月1日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年6月25日-7月1日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら発せらないこととなった。しかし震災から7年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また気象庁が発表している夏季予報では、4月末時点で全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ていた(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁、ウェブキャッシュ)】)。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 季節予報(夏 6-8月)(4月末時点、気象庁)
↑ 季節予報(夏 6-8月)(4月末時点、気象庁)

そこで消防庁では【熱中症の搬送者数報告は今年も5月から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、4月30日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は9月30日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては第9週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では6月25日に栃木県や大分県などで今年初の猛暑日を記録するなど全国を熱波が襲う形となった。その後、26日には奄美地方が梅雨明けとなり、すでに梅雨明けをしていた沖縄に続き、夏本番モードに突入。27日から28日にかけては北日本から北海道にかけて大雨が降り、また週末にかけて台風や前線の影響もあり西日本を中心に激しい雨が降り注いだ。一方東日本を中心に台風などに押し出される形で温かい空気がなだれ込み、夏を思わせるような暑さが続く形となった。29日には関東甲信地方が梅雨明けを宣言、これは1951年の統計開始以降初めての、同地域における6月中の梅雨明けとなった。梅雨の期間は23日に留まり、こちらも1978年の時と並ぶタイ記録を計上している。

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象やラニーニャ現象だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.309(2018年5月)】によれば、「2017年秋に発生したラニーニャ現象は、2018年春に終息したとみられる」「今後、夏はラニーニャ現象もエルニーニョ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高く(70%)、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)」とのこと。現状では夏の気候に影響はなさそうだ。

地域別では埼玉県の334人をはじめ、東京都の278人、大阪府の248人など、3ケタ台を計上した地域が上位を占めている。また、前線などに押し出される形で温かい空気が覆う形となった東日本において、多くの搬送者が確認される形となっている。

↑ 東京都の最高気温と天候(2018年6月25日-7月1日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2018年6月25日-7月1日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2018年6月25日-7月1日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2018年6月25日-7月1日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2018年6月25日-7月1日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(搬送人数上位都道府県、人)(2018年6月25日-7月1日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している。今件情報はパソコン向けだけで無くスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)


電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が行われなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお持っておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

すでに7月に入り、多くの地域で梅雨明けが宣言されている。間もなく学校も夏休みに突入することになる。当然、熱中症のリスクに留意しなければならない時期に違いない。熱中症に関する知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、無理をせず、健康管理に留意してほしいものである。


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