有料定額制音楽配信サービスの利用意向の実情(最新)

2018/04/17 05:13

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2018-0417昨今の音楽市場を語る際に欠かせないのが、サブスクリプション方式による定額制のサービス。用意されている楽曲なら好きなだけ何度でも聴ける定額制の仕組みで、料理ならばバイキング方式のようなもの。急速にサービスは普及し利用者は増え、知名度も高まり、さらに多くの人の注目を集め、音楽市場そのものに大きな影響を与える存在となっている。今回は日本レコード協会が2018年4月に発表した最新調査の結果「音楽メディアユーザー実態調査」(2017年度版)を基に、その利用実状を確認していく(【発表リリース:2017年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。


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調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【年齢階層別の「音楽との付き合い方」】を参照のこと。

次に示すのは調査対象母集団における、オンデマンド型・ラジオ型それぞれの有料定額制音楽配信への利用意向。すでに利用しているか、まだ利用していないが利用を強く希望しているか、強くでは無いがそれなりに利用を希望しているか。これ以外の人は有料定額制音楽配信への興味が無い、利用するつもりが(少なくとも回答時点では)無いことを意味する。

まずはオンデマンド型。利用者がレパートリーの中から楽曲を選択できるが、取得数に制限がある。また、ラジオ型と比べて利用料金が高い場合が多い。

↑ 有料定額制音楽配信利用意向(2017年、オンデマンド型)
↑ 有料定額制音楽配信利用意向(2017年、オンデマンド型)

1年間で利用中、利用意向者合わせてほぼ倍増した形となる。利用者の比率に限れば10倍以上だが、資料に「オンデマンド型・ラジオ型ともに、2016年では「既に利用している」と回答した人が非常に少なかったため、2016年→2017年の増加率については参考値とする」との但し書きがある通り、倍率云々は精査の対象とはならない。見方を変えれば2016年の時点では利用している人はほとんどいなかったことになる。

2017年では利用者が7.0%。強弱を合わせ利用したいと考えている人は15.6%。利用者・利用希望者を合わせた値は2割を超える。先行記事で2017年では有料聴取層が大きな増加を見せた、特に若年層で大幅な増加を示したことを解説したが、あるいはその原因が有料定額制音楽配信なのかもしれない。

続いてラジオ型。言葉通りラジオのようなスタイルで一方的に配信される曲を楽しめるもので、一応利用者にもある程度の選択肢(曲の好みや歌手の特徴など)が与えられ、その選択肢にあわせた曲が配信される。昔の有線放送のようなもの、と表現すれば分かりやすいだろうか。料金はオンデマンド型よりも安く、また歌手の中にはオンデマンド型には提供せずにラジオ型のみに提供する人もいる。

↑ 有料定額制音楽配信利用意向(2017年、ラジオ型)
↑ 有料定額制音楽配信利用意向(2017年、ラジオ型)

増え方の度合いはオンデマンド型と似たようなものだが、値そのものはやや少なめ。それでも2017年時点で2.8%が利用中で、15.5%が利用意向を持っている。オンデマンド型より少ないのは、やはり特定歌手や楽曲を聴きたいとの需要が大きいからかもしれない。

年齢階層別など属性別の動向を知りたいところだが、発表資料の限りでは全体値しか確認できない。もう少し利用者数が増え、属性別の値も誤差をさほど気にしなくても済むような値になれば、属性別の具体的な値も開示されるようになるのだろうか。


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