大学授業料の国際比較をグラフ化してみる(最新)

2020/02/18 05:23

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2020-0208高等教育機関の一つである大学は、国の文化教養科学水準を維持するだけでなくさらに高めるために、そして優秀な人材を育て上げるために欠かせない存在である。昨今ではその大学の授業料が問題視されているが、日本の大学授業料は国際的に見てどのような水準にあるのだろうか。OECD(経済協力開発機構)の公開値を基に確認する。

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大学授業料に関する値のOECDでの公開値は【文部科学省の統計情報にあるOECDの「Education at a Glance」の紹介ページ】からたどった「C5 高等教育機関の授業料と学生への公的補助」で取得できる。もっともこれはOECDの公開データベース【OECD.Stat】の「Education and Training、Education at a Glance」項目部分、あるいは【Education at a Glance】でも取得可能。これらの値では各種大学の1年間における授業料がPPPs(購買力平価による米ドル換算方法、あるいは換算値。同じ商品がどの国でも同じ対価で取引されるとの仮定で、各国の通貨を米ドルで換算したもの。OECDでは独自基準でこのPPPsの換算値を逐次更新しており、今回の値もそれを用いている)でどれぐらいになるのかを提示している。

公開対象国は限定されており、OECD諸国すべてではない。対象年は2017-2018年。フルタイムの4年生学部を対象としている。大学の種類の区分は次の通り。

・国公立大学…Public tertiary institution(公的高等教育機関)
公立教育機関または国の機関によって直接管理されている、あるいは国や公的な機関から任命された人員によって構成される評議会・委員会などで管理されている高等教育機関。

・私立大学…private tertiary institution(私的高等教育機関)。(1)と(2)で構成
  (1)Government-dependent private institutions(政府依存型私立高等教育機関)…運営中核資金の50%以上を政府機関から受け取っているか、教職員の給与が政府機関から支払われている。
  (2)Independent private institutions(独立型私立高等教育機関)…運営中核資金の政府機関からの受取額が50%未満で、教職員の給与が政府機関から支払われていない。

まずは国公立大学。公開されている値は平均値だが、グラフ上で値が存在しないのはゼロ、つまり授業料が無料を意味する。データそのものが無い国はグラフには反映していない。

↑ 国公立大学の平均年間授業料の国際比較(フルタイムの4年生学部、OECD諸国、米ドル・PPPs)(2017-2018年)
↑ 国公立大学の平均年間授業料の国際比較(フルタイムの4年生学部、OECD諸国、米ドル・PPPs)(2017-2018年)

イギリス、アメリカ合衆国、チリ、エストニア、カナダ、日本、オーストラリア、韓国などでは国公立大学の授業料は高いと判断できる。日本は値が公開されている国に限れば上から6番目。

国毎の傾向を見ると、デンマークやフィンランド、ノルウェーなど、ヨーロッパ諸国、特に北欧諸国では授業料が無料なのが分かる。またドイツやフランス、オーストリア、スイスのような授業料が安い国も大体はヨーロッパ諸国。これらの国はおおよそ、いわゆる「大きな政府」に属しており、大学での勉学にかかる費用もまた、一般政府がサポートする姿勢を示していることが分かる。

私立大学ではどうだろうか。

↑ 私立大学の平均年間授業料の国際比較(フルタイムの4年生学部、OECD諸国、米ドル・PPPs)(2017-2018年)
↑ 私立大学の平均年間授業料の国際比較(フルタイムの4年生学部、OECD諸国、米ドル・PPPs)(2017-2018年)

アメリカ合衆国が群を抜いているが、おおよそ国の序列に変わりは無い。ヨーロッパ諸国、特に北欧諸国では低い値に留まり、それ以外の国では高い傾向にある。日本はアメリカ合衆国、オーストラリアに次いで高い値。

高等教育機関の制度は国によって大きな違いがあるため、一概に単純比較はやや難があるものの、日本の大学授業料は国際比較の観点でも高い水準にあることは間違いなさそうだ。

なお今件値に限れば、日本の私立大学の授業料は国公立大学の約1.68倍。【文部科学省の学校基本調査】の最新値、2019年度分で確認すると、国立大学生60万6449人、公立は15万8176人、私立は215万4043人(学部学生、大学院学生、専攻科などを合わせた人数)。大学生の約74%を占める私立大学生は国公立大学生より高い授業料を支払っているのが実情ではある。


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