法人税額の国際比較をグラフ化してみる(最新)

2018/02/12 05:02

2018-0211経済行動の単位は大まかに個人と企業に仕切り分けすることができる。税金や社会保障などの国民負担もその単位で課せられることが多い。今回はOECD(経済協力開発機構)の公開データベース【OECD.Stat】の公開値を基に、OECD加盟国限定ではあるが、企業における国民負担のうち租税に該当する法人税などについて、諸外国の実情をその国のGDPと税額との比率の観点から確認していくことにする。

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まずは言葉の定義。データの取得元や国民負担の中身に関しては、先行記事【国民負担率の国際比較をグラフ化してみる】にある通り。今回検証する法人税(法人所得税)について、データベースの項目の表記方法とその内容は次の通り。

・法人所得税
「1200 Taxes on income, profits and capital gains of corporates」。法人の所得(収入から経費や控除を引いたもの)に課せられる税。国と地方の合算。日本ならば地方税の事業税も含まれる。

徴収絶対額は国毎に利用通貨が異なり、米ドルベースで比較しても為替の変動が大きく影響する。そこで今回はそれぞれの国のGDPの何%に該当するかで確認する。要は個々の国内で新たに生み出された商品やサービスの付加価値と比較して、その国の企業が納めている法人税はどれほどの割合に当たるのかを示した値。この値が大きいほど、企業にとっては負担が大きいと判断できる。

実データは原則2016年が最新だが、一部の国ではまだ2016年分が計上しきれていないため、その国の場合は2015年の値を適用している。

↑ 法人所得税額の国際比較(対GDP比、OECD諸国、2016年または最新年)
↑ 法人所得税額の国際比較(対GDP比、OECD諸国、2016年または最新年)

もっとも値が大きいのはニュージーランドで4.7%。つまりニュージーランドではGDPの4.7%に該当する金額を同国内にある法人が法人税として納めていることになる。次いでルクセンブルクの4.5%、オーストラリアの4.3%(厳密には4.306%)、チリの4.3%(4.274%)が続く。

日本はといえば第5位の3.8%。OECD平均で2.8%なのと比較しても、随分と高い位置づけにある。イギリスの2.8%、アメリカ合衆国の2.2%と比べ、大きな差がある≒企業が税負担の上では過ごしにくい状態にあることが改めて認識できる。

今件について取得できるデータの範囲内で、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ合衆国)、そして日本の近隣諸国として韓国、さらにOECD平均とG7平均に関して、経年推移を見たのが次のグラフ。日本の値は影をつけて強調している。

↑ 法人所得税額の国際比較推移(対GDP比、G7など)
↑ 法人所得税額の国際比較推移(対GDP比、G7など)

今値は法人所得税の総額とGDPの双方で算出されるため、景況感と各種法人税制双方の影響を受ける。そのためグラフの値の上下感がやや大きいものの、例えば韓国は次第に企業負担が増えている、ドイツは比較的低い状態が維持されている、アメリカ合衆国は1980年代半ばにかけて下落をしてその後は横ばいなどの実情が見て取れる。

日本はといえば、前世紀ではほぼ対象国の中ではトップの、しかも群を抜く形で高い値を示し、今世紀に入ってやや下落をしたものの、それでも高い値は維持されたままとなっている。他国からの企業誘致の観点では、大いに不利な状況には違いない(実際には法人税の税制の中身や税率も大きな影響があるのだが)。


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