国民負担率の内情の国際比較をグラフ化してみる(最新)

2018/02/10 05:11

2018-0208先行記事【国民負担率の国際比較をグラフ化してみる】において、OECD(経済協力開発機構)の公開データベース【OECD.Stat】の公開値を基にOECD加盟国における国民負担率の実情を確認した。その記事では国民負担を租税負担と社会保障負担の合算としてのみ表現したが、今回は租税負担の部分をもう少し詳しく仕切り分けした上で、その実情を確認していく。

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まずは言葉の定義。データの取得元や国民負担の中身、租税や社会保障に関しては「国民負担率の国際比較をグラフ化してみる」にある通り。今回細かく仕切り分けする租税負担の部分の詳細は次の通り。データベースの項目の表記方法とその内容を箇条書きにした。

・個人所得税
「1100 Taxes on income, profits and capital gains of individuals」。個人の所得(収入から経費や控除を引いたもの)に課せられる税。国と地方の合算。

・法人所得税
「1200 Taxes on income, profits and capital gains of corporates」。法人の所得(収入から経費や控除を引いたもの)に課せられる税。国と地方の合算。

・社会保障費
「2000 Social security contributions」。一般政府から社会給付を受けるための義務的徴収金。各種社会保険料。

・賃金・労働力税
「3000 Taxes on payroll and workforce」。賃金の一定率や人数あたりで就業者に課せられる税。社会保障費と異なり、一般政府からの社会給付との連動性は無い。

・資産税
「4000 Taxes on property」。資産の所有や取引(贈与や相続など)などに課せられる税。資産の売却益は個人所得税や法人所得税に分類。

・消費税
「5000 Taxes on goods and services」。付加価値税、消費税。それ以外に個別の商品やサービスの売買や利用などに課せられる税(日本ならたばこ税や自動車税など)。

・その他の税
「6000 Taxes other than 1000,2000,3000,4000 and 5000」。上記のいずれにも該当しない租税。

次に示すのはこの仕切り分けに基づいた国民負担率の内情の対GDP比と、構成比率。実データは原則2016年が最新だが、一部の国ではまだ2016年分が計上しきれていないため、2015年の値を適用している。

↑ 国民負担率の内情の国際比較(対GDP比、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)
↑ 国民負担率の内情の国際比較(対GDP比、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)

↑ 国民負担率の内情の国際比較(構成比率、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)
↑ 国民負担率の内情の国際比較(構成比率、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)

日本の国民負担を他国と比較すると、消費税や個人所得税の割合が小さい一方、法人所得税が大きめ、社会保障費が非常に大きい実情が見て取れる。また資産税も大きい。

消費税に関してはチリは別としても欧州圏で大よそ高めの値が出ている。これは【諸外国における付加価値税の標準税率の推移(財務省)】の説明にある通り、EU諸国においてはEU指令によって付加価値税の標準課税が15%以上とすることが定められているため。欧州圏の国は「大きな政府」となりがちで、文化的な後押しがあるのかもしれないとの仮説は以前の記事で言及したが、この取り決めもそれによるものかもしれない。

他方日本だけでなくアメリカ合衆国、カナダなど非欧州圏では大よそ消費税の構成比率が低め。日本でもすでに消費税率は8%に達しているが、そして上記の解説の通りたばこ税や自動車税などが合算されても、OECD内では対GDP比、国民負担の構成比ともに非常に小さい水準に留まっている。

消費税の対国民負担における構成比率で日本とほぼ同率のアメリカ合衆国を比較すると、アメリカ合衆国は個人所得税の比率が日本の2倍以上ある一方で法人所得税の比率は低い。

↑ 国民負担率の内情の国際比較(構成比率、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)(一部)
↑ 国民負担率の内情の国際比較(構成比率、OECD加盟国)(2016年あるいは最新年)(一部)

他方、社会保障費では日本はアメリカ合衆国の2倍近い構成比率を示している。両国の国民負担の実情、消費税による国民負担が低い国のそろばん勘定の違いがよく見えてくる次第ではある。


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